平成28年3月12日

第108回武庫川エコハイク

 「波豆川源流から高平谷木器へ」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:平成28年(2016年)3月12日(土)9:10〜16:30  天 候:快晴
行 程:
 JR三田駅北口バス停(9:25発バス乗車)・・・・波豆川バス停(9:50着/挨拶・コース説明)−大磯―三田アスレチック(10:30〜10:50トイレ休憩)−大磯薬師堂(説明)―内田池(11:30〜12:10昼食休憩)―三田アスレチック(12:50〜13:00トイレ休憩)―大舟寺(13:30説明)−なかがわら橋/波豆多目的広場(小休憩)−大坂峠(泣き地蔵・水のみ地蔵・5段ため池)―木器―興福寺(14:45説明)―岡村酒造場(15:05〜15:40当主の説明と試飲会)―木器バス停(16:10発乗車)・・・・JR三田駅(16:30着/全員無事終了し解散)
(  )内は案内担当森本の説明。当日資料(行程図説明書次回4月2016年度の行事案内

参加者:60人(内スタッフ8人)
 一般参加者は宝塚市・西宮市・伊丹市・神戸市北区・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは川西市・池田市・神戸市長田区・須磨区・猪名川町・大阪市東淀川区・門真市などの地域からも参加を得た。

所 感:
 
三田駅前は青い空が広がり快晴である。先月は雨天中止となり今回の行事案内チラシが配布できず不安であった。電話での問い合わせも多くあった。しかし皆さん新聞などで調べて52人の多くの参加を得た。各新聞社などの行事記事掲載、毎回有り難く感謝である。
 スタートの挨拶と説明は目的地(波豆)でする事にし、まずバスに乗車、超満員状態でなんとか乗車でき約25分程で到着する。増車依頼するが出来なかった。
 波豆川終点バス停で本日の挨拶とコース説明する。雨天中止の場合の説明が不十分であったので確認、昨年度100回を記念して武庫川縦走シリーズDに限り雨天順延した事が(第2週土曜日→第3土曜に)原因であった。今回も新年度年間予定表(4月〜3月)を配布、武庫川渓谷ハイクも定番に戻した等説明する。
 出発、のどかな波豆の集落の中を進む。青い空の下、民家の庭の梅の花の香りが心地よい、道端には春の季節を表現する花々ホトケノザ・オオイヌノフグリ・ナズナ・ハコベ・・・など見られる。誰かがフキノトウを見つけて摘んでいた。少し進むと大磯のアスレチックに着く、トイレ施設があり小休憩し大磯薬師堂を案内する。
 谷間の棚田を見下ろしながら又波豆川の渓流沿い山道を進む。渓流に沿って人工林の林道が続き源流になる内田池まで直線の様な道を登る。標高差がバス停から250mと少し厳しい、道は管理道なので広く舗装の跡もある。昼前に内田池に到着。少し早めだが昼食休憩、青空の下池の周辺で景色を楽しみながらゆっくりと時間をとる。
 休憩あと、波豆川まで折返しの道、下り道だが傾斜が案外きつい、登りのしんどさがよく分った。源流内田池へ登る際、大磯の渓流でK氏がホトケドジョウの調査でペットボトルの仕掛けで捕獲できるか試みたが駄目だった。波豆川の上流域では絶滅危惧種ナガレホトケドジョウが生息する。近年はナガレホトケドジョウが生息するような自然環境の整った沢や細流が少なくなっており生息数も激減している。
 帰路も三田アスレチックでトイレ休憩をとる。今日は土曜日でレジャー客の車10台程、土・日だけか?限定営業している様子である。
 波豆へ下り大舟寺を訪ねる。山門を入ったすぐカヤの巨木が目をひく。県指定天然記念物、巨木は1.8mの高さで大きく3本の主幹に分かれており、3本がほぼ同じ幹径の枝を伸ばしている。樹齢500年を超えるという、現在でも非常に元気である、環境が良いのか。大舟寺は禅宗に属する黄檗宗の古刹だが、1400年前に寺の背後にある大船山(標高653m)に百済の僧が舟寺として建立したものが、霧深く湿度が高いため山麓へ移転したと石碑にあった。
 快晴の中、周辺の山の名前を聞きながら波豆川口へ進む。大坂峠の麓に多目的広場が出来ており峠を越す前の小休憩とる。峠にある二つの地蔵さん(泣き地蔵・水のみ地蔵)の場所を畑で働くおじさんに教わる。峠の木器寄りに峠茶屋が有るが今日は寄る時間がない。ため池が5つ続く、すぎて左折、生活道を進み興福寺を訪ねる。鎌倉時代この辺は摂津国多田荘内木器村。波豆川、羽束川流域は多田荘の御家人が住んでいた所、木器村の首領は下山氏であった。境内には下山家の墓石が多くある。タラヨウの立派な高木が目に付いた。
 最後のコース、岡村酒造場を訪ねる。丁度、5代目当主で杜氏も務める岡村隆夫氏が待っておられてお話を聞くことが出来た。三田市に唯一残る造り酒屋で清酒「千鳥正宗」の製造元である。130年近くの酒造りの歴史がある。三田の恵まれた自然の中で育まれた酒米である「山田錦」「五百万石」そして水は羽束川の伏流水が使われています。周囲の農家と共に稲の育成を見守り、そして収穫した米を酒造りに使用しているんですよ!そうして造り上げられたのが純米大吟醸「三福田」をはじめとする数々の地酒ですと説明。全員が試飲させていただいた。
 酒質の特徴は、外国航路の船の飲料水として使われたほどの名水と言われた、蔵元の間近を流れる羽束川の伏流水と、三田の風土が育て上げた三田米とで醸された酒は、この恵まれた自然環境に育てられやや甘口のあっさりとした味で愛飲家が多いという。尚、「赤米の甘酒」も御ちそうになる。上品な甘さで美味しかった。また、現在、木造平屋居宅の茅葺屋根の葺き替え工事中。約30年ぶりの葺き替えと言われ、工事中の見学と説明もしていただき大変有り難い思い出の一日になった。
 この後、木器のバス停から三田駅へ、帰路はバスの増車ができ2台で全員座席使用が出来た。
 バス分乗乗車なので自由解散にする。予定時間で全員無事終了する。
 
写真:

波豆川バス停からスタート

大礒(カナディアン大礒前)で

波豆川源流を歩く

内田池でくつろぐ

大舟寺天然記念物カヤの木

日本の原風景を歩く(寺山と広照寺山)

大坂峠越え
興福寺で

高平谷木器の集落を歩く

岡村酒造
      文・写真:平山元哉氏

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