UP 令和5年9月15日
195回武庫川エコハイク

縦断シリーズC  「広野から道場(新旧武庫川) 実施報告

エコグループ・武庫川
・日 時:令和5年9月9日(土) 9:35〜14:05 晴れ一日曇り空  10時27℃(正午28℃)
・行 程:JR「広野」駅前(挨拶とコース説明9:35スタート)〜広野踏切(排水ポンプ場・道標説明)〜塩掛橋(左岸歩き)〜内神川合流点(説明)〜興徳寺橋〜嫁ヶ渕橋(右岸に移動)・嫁ヶ渕祠(10:05伝承等説明)〜青野川合流点(青野ダム・千丈寺湖等説明)〜西野上水位観測所(説明)〜三田浄水場(10:15説明)〜大池川合流点(福島大池の説明)〜えるむ橋(新三田駅とエルムの説明)〜貴志(交差点迂回)〜瀬戸橋(右岸)〜桜づつみ回廊(碑/桜づつみ回廊の意味説明)〜川除上橋・藤ノ木遺跡(11:24遺跡跡と旧武庫川河道松山堤の説明)〜川除下橋・御殿橋(説明)〜総合福祉センター(11:40-12:20昼食休憩トイレ/施設地域の説明)〜武庫川大橋〜三田大橋(説明)〜下山取水場(ゴム引布製起伏堰の説明/複数個所有り)〜車瀬橋(市街地で最も古い橋一乗寺跡など説明)〜鍛冶屋橋〜高砂橋〜相生橋(小休憩)〜平成大橋〜神鉄踏切〜広瀬橋(国道176号線)〜下田中橋〜鉄屋橋(下田中を大きく迂回していた武庫川の説明)〜三田市環境センター前(この先にある越流堤跡は道中断、ここで市道に出て春日橋道を進む)〜春日橋(有馬川の橋/小休憩13:30-35/唐崎城跡・尼崎学園古墳群跡等説明)〜有馬川合流点(治水対策背割堤工事の説明)〜生野橋(下流船坂川合流説明)〜富士チタン工場前〜JR「道場駅」(最後尾到着14:05/最終確認し次回の案内をして解散/JR帰路便14:16・14:28乗車)
( )内は佐藤・岡・上田担当の説明。当日配布資料(行程図説明書次回活動案内
・参加者:43名(内訳:一般参加者35名+スタッフ8名)
 一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・伊丹市・三田市・神戸市北区の流域各市からの参加の他、流域外からは神戸市兵庫区・中央区・川西市・三木市・池田市・吹田市・大阪市福島区・西淀川区などの地域からの参加があった。
・所感
台風13号は北東に進み、9月8日21時に静岡県の南海上で熱帯低気圧に変わりましたが、千葉県から茨城県、福島県では線状降水帯が発生して大雨が降りました。このため、7月から続いていた記録的な猛暑は一服し最高気温が35度以上という猛暑日を観測することはありませんでした。そんな影響か、本日の三田の朝は曇り空時々晴れで気温27℃、少し救われた感じでありました。集合場所JR広野駅前は、電車便の少ない9時20分の1便に集中であった。参加者は35名、流域内の常連さんの顔が目立ちました。
 朝の挨拶で、本日のコース「三田と(水)武庫川の取組み」について歴史の概略を少し予備説明をしました。三田市街地の中央を流れる武庫川。最近は河川改修やダムの完成により被害は少なくなりましたが、三田は昔から毎年のように洪水と渇水に悩まされてきた街でした。洪水の後は渇水が襲い、渇水の後は洪水が襲うという、歴史を繰り返してきました。昭和50年代に武庫川の大改修工事を取り組みました。川幅を広げる工事37m→53mに、川底を2〜3m掘り下げ、下田中地区の迂回していた河道の直線化工事を行いました。昭和58年には、県営青野ダム建設着工し、洪水の調整と水害防除、農業用水、工業用水の補給、水道水の供給とニュータウン開発の対策に取組み昭和61年完成しました。昭和60年代には、川除地区の治水対策に取り組み、蛇行していた松山堤の直線化工事を完成させました。そんな概略の歴史を知って行程図とそれぞれの説明書を見ながら歩きたいと説明する。

旧武庫川(明治43年)                           新武庫川(令和5年)
「広野〜新三田」
 駅前をスタート、線路に沿って進むと空地の道沿いにはマルバルコウソウの元気な赤い花の群生が見られる、マルバアサガオも咲いているヒルガオの季節である。最初の説明場所塩掛橋の手前旧街道沿いに広野ポンプ場跡がある。武庫川は天井川であったので、この地区は内水被害にあっていた。これを解消する為のポンプ場跡である。ポンプ場の中に25番札所清水寺への巡礼街道の道標が残る。

広野駅前からスタート

25番札所清水寺への巡礼街道の道標

内神川合流
 塩掛橋を渡り武庫川の左岸を歩く。堤防道に沿って8年前に歩いたときは田圃であった、現在は駅に近い住宅街になっている。そんな変化を見ながら先に行くと田圃では稲刈りが始まっている。内神川合流の説明をして嫁ヶ渕橋で右岸に移る。祠が残る嫁ヶ渕の伝承や河川改修の説明をする。直ぐ下流左岸で青野川が合流、その下流に水位観測所があり水位情報をHPでリアルタイムで伝えています。

嫁ヶ渕橋

役行者像

青野川(右)合流
 続く三田浄水場があり青野ダムから放流される水を本川のファブリダムで取水している(ファブリダム:ゴム引布製起伏堰の機能について説明する)。

ファブリダム(堰堤が空気で膨らむ)左岸に魚道

三田浄水場
大池川合流地点では、昔僧行基がため池(福島大池)の築造、武庫川の流れを変える治水対策をした話などする。新三田駅へ通じるニュータウン道路の「えるむ橋」変わった名。ニュータウンの街路や橋には植物名が命名されている、ハルニレのことを英名で「エルム」という、ここから付けたものか。

えるむ橋(新三田駅前)
「新三田〜三田」
 少し進むと桜づつみ回廊碑がある。「桜づつみ」とは、洪水から堤防を守るために必要な堤防断面に加えて堤防の市街地側に土を盛りそこに桜を植栽するもので、これは堤防を強化するとともに積極的に良好な水辺空間の形成を図るものである。一般的に堤の植栽は川の内側が多く、外側は土地の確保とか、農家の反対が多くて例が少ない。三田の場合、改修工事で川の拡幅を機会に取組みが出来たものである。

ふるさと桜つつみ回廊碑付近

雑草に覆われたふるさと桜つつみ回廊碑
 川除上橋のたもと池尻川合流点、川除藤ノ木遺跡公園で川除地区の武庫川付け替え工事の説明する、大きく蛇行していた河道を直線化した場所。現在県道松山堤は旧河川の堤防であった。少し進み川除下橋・御殿橋付近は付け替え工事で生じた旧河川敷、今は市の施設が立ち並ぶ。総合福祉センター前堤防散策道で昼食休憩とす(本日コース中間点を少し進んだ所)。気温は28℃川沿いだが風は無く蒸し暑かった休憩であった。

直線に付け替えられた武庫川(瀬戸橋から下流を見る)

迂回する旧武庫川と松山堤

河川改修記念碑

碑文

池尻川合流(左:藤ノ木橋、右:川除上橋)

総合福祉センター(昼食)
「三田〜道場」
 昼食トイレ休憩後右岸を進む、三田の中心部である。桜並木の木陰は少し暑さが和らぐ。三田市街は武庫川南北をつなぐ橋が実に多い、本日歩く広野から下田中10qの間に19本の橋がある(コース資料参考)、三田の歴史は武庫川との戦いであったことがうかがえる。

ナツズイセン(武庫川大橋付近)

三田市街を流れる武庫川(車瀬橋から鍛冶屋橋を見る)

堤防はサルスベリ並木
下田中橋に着いて、もう一つの大改修工事、下田中の武庫川付け替え直線化工事を旧河道を見ながら説明。直線化された河道を進み山田川合流の少し先で堤防道は途切れ一段と低くなる、有馬川合流につながる。堤防の途切れ箇所は「越流堤跡」なのか・・・塩田地区は洪水被害の常襲地であったことから内水をはかす為のものであったのか・・・。

直線に付け替えられた武庫川と下田中橋

下田中を大きく迂回する旧武庫川

山田川(対岸)合流
有馬川は武庫川で2番目の支流、本川に比べ勾配も大きく川幅も広く、武庫川の流れを遮ったので洪水が頻発したので河川改修で有馬川と本川が「背割堤」で分けられて洪水が解消された。有馬川対岸で背割堤の箇所を確認するが(よく分からづ地図で)。

春日橋から有馬川下流を見る、この先武庫川に合流

春日橋 正面は唐崎城跡

春日橋から有馬川上流を見る
  

生野橋

JR道場駅解散
最終有馬川合流点を見て生野橋からJR「道場駅」へ。予定より早く到着出来た。最後尾到着14:05時。全員無事確認して次回の案内をして解散する。結局一日曇り空で気温は上がらず良かったが蒸し暑い日であった。
文・写真編集:上田・佐藤・平山
エコグループ・武庫川

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