UP 令和5年5月17日
192回武庫川エコハイク

縦断シリーズ@篠山口から南矢代-源流地帯実施報告

エコグループ・武庫川
・日 時:令和5年5月13日(土)9:50〜14:10 薄曇り  10時18℃
・行 程:JR「篠山口」駅前(挨拶とコース説明10:00スタート)〜駅前「谷中分水界」案内看板前(篠山の谷中分水界の説明)〜田松川第1水門(運河の歴史等説明)〜田松川第2水門(10:13)〜初田(初田の歴史と集落の説明)〜八柱神社(10:35初田の氏神)〜峠越え〜真南条・真南条川〜R372号線デカンショ街道(11:19看板前説明)〜龍蔵寺参道〜田口池(在来種の宝庫/観察説明)〜龍蔵寺(12:00-12:45昼食休憩周辺の植物説明/休憩時間に源流地帯案内)〜田口池〜旧京街道(説明)〜二村神社(説明)〜残石公園(13:46説明)〜武庫川起点〜JR「南矢代駅」(14:10到着/挨拶・確認解散)
( )内は岡・佐藤・上田担当の説明。当日配布資料(行程図説明書次回活動案内
・参加者:20名(内訳:一般参加者13名+スタッフ7名)
一般参加者は宝塚市・西宮市・伊丹市の流域各市からの参加の他、流域外からは神戸市東灘区・中央区・大阪市福島区などの地域からも参加を得た。天気予報で午後雨、夕刻にかけて厳しくとあり参加者は少なかった。
・所感:
 5月の天候は温度差の多い時期で不安定の日が多い、本日も朝は薄曇り、予報では午後から雨マークである。週末の雨天が5月に入り続く、先週週末篠山の下見では午後の雨マークも3時ごろまでは大丈夫であった。午後雨の天気予報もあり不安もあったが武庫川の源流地帯を知っていただく行事は実施に決める。電話問合せも対応したが、天気予報で参加者は少なかった。朝の挨拶で午後の天気予報を考えたコース歩きを説明してスタートする。

篠山口駅前
 駅前の「谷中分水界」説明版を前に説明。一般的に分水界は山の峰がその役割を果たすことが多いが、平地にある分水界を「谷中分水界」と呼ぶ。篠山には、西紀の栗栖峠、鼓峠、篠山口駅前の田松川の3か所で見られる。看板から少し歩いた所に「田松川第1水門」、ここで水の別れを見ることが出来る。田松川は平地(標高195m)を流れる普通の河川である。もとは、山から流れ落ちる水は別々の川となっていたようで、北へ流れる水は加古川へ、南へ流れる水は武庫川へ注いでいた。明治8年に丹波と摂津の物資を運搬する為に開削された運河によって、両水系が結ばれることになった。1本の川の中に分水界が存在するという、全国的に珍しい河川である。運河は開削事業に尽力された当時の豊岡県参事「田中光儀」と豊岡県篠山支庁「松島潜」両氏の頭文字をとって「田松川」と命名された。

谷中分水界説明版(クリックで拡大)

田松川第1水門
 第1水門から川沿いの桜並木を第2水門まで下る、川の水は田植え時期取水堰で満杯である。

田松川

田松川第2水門
 左折して高速道を潜るとメダカの里初田川、環境学習の場所とか。初田集落に入る。40軒ほどの集落は転入者数軒を除けば殆ど「酒井」姓という、戦国時代の「初田酒井氏」酒井党一族の拠点の一つであった歴史を感じる。集落から真南条に山越えする峠道へ、すぐ初田の氏神「八柱神社」立ち寄り兼ねて小休憩。峠道は高低差100mぐらいで車両通行できる道幅であるが、途中倒木で通行不可。竹の浸食が目立つ峠道。ウグイスカグラの赤い双子の実を見つけ喜び、峠ではテンナンショウ・リョウメンシダ・ジュウモンジシダの群生地が印象に残る。

八柱神社

峠道
峠道を下ると真南条川の橋、武庫川の源流の川である。傍の民家の周辺でオドリコソウ群生が見られた、在来種は元気だ。楽しみながら直ぐデカンショ街道案内板の所に到着小休憩、街道を北へ進むと八上(八上城跡)・日置につながる。愛宕山・龍蔵寺参道の入口、近畿自然歩道である。 

真南条橋

近畿自然歩道沿いの民家

デカンショ街道交差点の近畿自然歩道案内版
参道を入ると直ぐ「村の駅」活動は分らぬが駐車場は満杯である。龍蔵寺参道は在来種植物観察の楽しめる場所。山裾に最初は、ミヤコアオイ・チゴユリなどの群生、ギフチョウの生息が思われる。田口池付近ではショウジョウバカマの群生が見られ、龍蔵寺山門に近づくとオドリコソウ群生に出会う。季節を変えれば他の種が楽しめそうである。真南条川が発する「田口池」の記念碑前でため池の歴史等説明。立派に圃場整備が進んだ田と水路、連続性がなくなり生物の多様性が失われる風景が気になる

田口池

龍蔵寺川説明版(クリックで拡大)

龍蔵寺山門
参道植物観察を楽しみ30分程係り龍蔵寺に到着丁度12時昼食休憩。本日は住職さん留守であった。休憩中、龍蔵寺の概略説明と平成8年の大水害による龍蔵寺川が大規模な土砂災害の状況など説明。源流の案内は源頭までは出来ず、途中写真で説明になる。尚、龍蔵寺周辺は植物貴重種の宝庫サルオガセ・カヤラン・ヒトツバ・ヒメウラジロ・ミヤマイチゲ・クリンソウなど他人気のミツマタ群落説明。

龍蔵寺

龍蔵寺川(武庫川)源流の案内板

源流域への山道
天気予報でゆっくり出来ず午後出発。帰路は再度参道の貴重種の観察しながら旧京街道へ進む。二村神社(真南条の氏神)は立寄り出来ず説明だけ。栗栖野残石公園までは長い舗装道を歩く。残石公園の石垣は篠山城の石垣構築の残石を利用して造られており、一部の角石を除き、全て栗栖野地範より採石したものである。

旧京街道沿いのお社

栗栖野残石公園
最後の武庫川起点(田松川と真南条川の合流点/兵庫県の管理区分を示す)を案内して南矢代駅に到着。駅のホームで安全確認、次回の案内して解散する。

武庫川起点(田松川・真南条川の合流点)

南矢代駅解散
源流地帯をゆっくりと案内出来ず少し残念、しかし心配していた雨には合わず終了出来た。
文/上田 宏、写真/佐藤、編集/平山
エコグループ・武庫川

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