UP令和4年12月13日
「尼崎運河から武庫川河口を歩く」実施報告
エコグループ・武庫川
日 時:令和4年(2022年)12月10日(土)9:45〜14:30 晴れ 最高気温17℃
行 程:阪神電鉄「尼崎センタープール前駅」駅前(9:45挨拶とコース説明)〜道意神社(宮司さんの説明)〜祇園橋緑地〜元浜緑地(10:15説明)〜北堀運河・であい橋(10:25説明/小休憩)〜中堀運河〜南堀運河〜尼崎閘門(尼ロック11:05-11:30説明と貨物船通航の見物)〜尼崎の森中央緑地(12:05-40昼食休憩/公園スタッフの説明・茅葺民家13:00)〜丸島橋(説明)〜武庫川河口(13:30説明)〜南武橋(14:00説明)〜潮止堰(14:20説明・解散)自由見学・・・楠霊神社〜阪神「武庫川駅」)
( )内は案内担当:佐藤・上田(宏)の説明 当日配布資料(行程、説明書・次回行事案内)
参加者:34名(内訳:一般参加者27名+スタッフ7名)
一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・神戸市北区の流域各市からの参加の他、流域外からは神戸市灘区・東灘区・大阪市淀川区・此花区・池田市・吹田市・高石市・奈良生駒市などの地域からも参加を得た。
所感
本日は晴天に恵まれた暖かい朝である。集合は改札出た広いスペースでおこなう。今回は参加者が少なかった。近い所の方が主で、いつもの山歩きのメンバーの参加者が無かった。運河と河口の街歩きという案内からかも。大きな自然災害のニュースの多い最近です。身近な災害対策を知ってもらうために企画したのだが。“知っているようで、知らないことを、知ってもらうために”・・・。スタート前に挨拶とコース説明し、この場所「尼崎センタープール前駅」が出来た歴史を説明する。
「尼崎競艇場の建設」
昭和25(1950)年8月28日のジエーン台風により尼崎市域は甚大の被害を受けた。その災害復旧費で市は多額の財政赤字が発生する中でした。当時の坂本勝市長は、蓬川から武庫川にかけての阪神沿線北側に広がる大庄湿地地帯を掘削してモーターボート競艇場の誘致に取り組み、また掘削土により湿地を埋立、学校・公園・住宅などを建設、さらにはごみ溜め・蠅蚊発生源となっていた湿地の解消が環境衛生の改善につながるという、いわば一石三鳥の計画の取組みをする。競艇場の毎年度収益は長年にわたり市の財政に寄与する事になる。
阪神尼崎センタープール前駅 |
尼崎競艇場・・・元は湿地 |
「元浜緑地」
最初の立寄りは「道意神社」、駅の線路に沿って西へ5分程の所に建つ。お願いしていた宮司さんの説明を頂くことが出来きてお礼いって進む。整備された祇園橋緑地を歩き「元浜緑地公園」に。全国で初めて大気汚染対策の緑地として整備された公園の説明をする。
道意神社 |
元浜緑地公園 |
「ゼロメートル地帯」
尼崎市では臨海部において明治後半から工業化が進み、運河等による物流が盛んになると共に、工場による地下水の汲み上げが続けられてきた、その結果地盤沈下が発生し、市内の約1/3(特に南部地域)が海面より低い「ゼロメートル地帯」となり、1934(昭和9)年の室戸台風や1950(昭和25)年のジェーン台風等による浸水被害を受けるようになった。浸水対策については尼崎港改修の一環として、兵庫県の工事による防潮堤が1950年までにほぼ完成していたが、前述のジェーン台風被害の経験から、島状の土地ごとに堤防を築く方式ではなく、海岸線全域を覆う大規模な「閘門式防潮堤」が計画された。これにより運河の物流機能を維持しつつ、高潮や洪水等の浸水被害から地域を守ることが可能となった。
市の1/3がゼロメートル地帯 |
「運河」
公園を出ると直ぐ「出会い橋北堀運河」である。北堀運河に建設された水質浄化設備機能や環境学習機能を兼ね備えた設備の紹介する(施設は土曜休館)。ヨシによる水質浄化機能の実験モデル等もある。ここから整備された運河沿いの遊歩道を歩く。木材板張り床で整備され歩きやすく、コースも緑道ででき運河沿いの風景が魅力的、天気も良く気持ちよく中堀運河、南堀運河を歩き尼崎閘門に到着。
北堀運河 であい橋 |
中堀運河 |
「尼崎閘門」
「尼崎閘門(尼ロック)」は二つの閘門で運河と海の水位差を調整して船を通す施設。水位は通常、運河側が1m程度低い。レオナルド・ダ・ヴィンチが考案したとされパナマ運河にも使われる観音開き式閘門を採用している。丁度運よく、貨物船通航中に出会い見物できて良かった。見物を終えて尼崎の森中央緑地が丁度昼になる。
南堀運河 |
尼崎閘門(尼ロック) |
閘門を通過する貨物船 |
尼崎の森中央緑地 |
「尼崎の森中央緑地」
「尼崎の森中央緑地」での昼食は暖かい野外で気持ちよく出来た。食後公園スタッフの説明で尼崎の森の取組みと活動の紹介を聞く。茅葺民家に立寄り、森づくり活動エリアを通り丸島へ向かう。最初の植樹コナラ林も成長して密集状態、間伐の時期にきている。
尼崎の森の取組みと活動の紹介(公園スタッフ) |
公園内の茅葺民家見学 |
「武庫川」
西堀運河にかかる丸島橋を渡る。丸島で飛地交換の話を紹介する。西宮の荘域であった平左衛門新田と尼崎の領域西昆陽(仁川−田近野)の飛地の等価交換して行政上の解決をした。そんな話をしながら武庫川河口へ。武庫川の終点地(阪神高速湾岸線高架下付近)を説明して遡上、南武橋架替工事は完成して綺麗になる。
西堀運河と丸島水門 |
武庫川河口(左岸) |
武庫川左岸を北上 |
「潮止堰」で武庫川改修工事中の状況や潮止堰撤去の説明などして、最終確認と挨拶、次回の案内して一応解散する。希望者は「楠霊神社」を案内して武庫川駅へ到着。参加者の感想で今回は来てよかった声を複数いただき自己満足で終了出来た。
潮止堰 |
潮止堰の説明・解散 |
楠霊神社ご神木 |
*写真の一部は下見時撮影
文/上田宏・佐藤、写真/佐藤・平山