UP2022.4.10
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第178回「武庫川さくら回廊を歩く(藍本曲りから相野)」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:令和4年(2022年)4月2日(土)9:45〜15:30  晴 最高気温11℃
行 程:
JR藍本駅前集合(9:45挨拶・コース説明・スタート9:50)〜旧街道〜酒滴神社(説明)〜街道の大きな転石(説明)〜三田市最古の道標(説明)〜大安橋合流点(説明)〜昭和橋曲り(10:30説明)〜波田橋(10:51説明)〜岩倉橋(11:17)〜五葉院(説明トイレ)〜藍本浄化センター(説明)・伝承-お鶴としじみ貝(説明)〜駒宇佐八幡神社(12:20説明/昼食13:00)〜河川改修記念碑(説明)〜生宝寺橋〜日之詰橋(13:52)〜本庄小学校(14:00)〜正明寺・正明寺橋(14:40)〜四ツ辻〜松聖高校〜JR相野駅(15:20安全確認・次回案内し解散) ( )内は案内担当:平山・岡の説明
  コース17km 健脚向き
 当日配布資料(行程説明書次回行事案内
参加者:66名(内訳:一般58名+スタッフ8名)
 一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・神戸市北区・三田市・丹波篠山市の流域各市からの参加の他、流域外からは猪名川・神戸市灘区・兵庫区・三木市・吹田市・箕面市・大阪市北区・西区・平野区・高石市などの地域からも参加を得た。
所 感:
 兵庫県は瀬戸内海から日本海までの約170kmを桜でつなごうと、河川沿いに約50,000本の桜を植え、「ふるさと桜づつみ回廊」を整備しました。三田市を流れる武庫川25kmには約5,000本の桜があります。その1部、藍本から相野までを歩きました。車窓から眺める武庫川堤の桜は宝塚は満開、三田は5分咲きでしたが藍本は2〜3分咲きです。藍本駅をスタートし、武庫川が360度進行方向を変える曲りから、開花したばかりの桜堤を駒宇佐八幡神社へ歩きます。更に大音所から井ノ草を経て相野駅まで計17kmを歩き通しました。この間の武庫川は、河床掘削、堤防補強、直線化など河川改修が進みましたが、自然景観によくマッチし、のどかな山里の風景を楽しみながらのハイキングでした。

屈曲する武庫川(国土地理院空中写真 より)
「藍本駅から曲りへ」
 9時31分着の列車からどーっと降りてきた人は武庫川エコハイク桜回廊歩きに参加する人たちです。駅の桜は1,2分のちらほら咲き。1週間延期した企画でしたが桜にはまだ早かったようです。三田市のアメダスの最低気温は−0.9℃です。スタートを待つ間、寒さに震えます。スタートミーティングして駅前の旧丹波街道を歩きます。新しい住宅が立ち並び、藍本庄宿といわれ、紅灯のもと弦歌の絶えなく栄えたといわれた町の雰囲気はありません。霊水で名をはせた酒滴神社、県重文の石鳥居、住吉神社から投げられたという転石、線路わきの三田最古の道標を見て、国道176号線の大安橋から武庫川堤に入ります。堤防には豊岡名産柳行李の原料となるコリヤナギが植えられ、堤防の役割を果たしています。昭和橋を渡り、曲りにかかります。武庫川は360度ターンして北へ流れを変えます。この辺り、河床掘削が進んでいます。山を越えた西相野とは標高差僅か10mですが、緩やかに蛇行する武庫川は隆起に勝てず、流れを変えてしまっています。西相野の秋谷川は加古川水系であり、その昔は曲りと運河でつなぎ、加古川と行き来できたといわれています。

藍本駅からスタート(2022.4.5撮影)

霊水伝説で名高い酒滴神社

昭和橋から武庫川上流を振り返る

曲り(2022.4.5撮影)

波田橋から
「駒宇佐八幡神社へ」
 桜並木が始まった。10mほどの間隔で両岸の堤に桜が植えられています。ほとんどがソメイヨシノですが時にオオシマザクラが混じります。樹齢は50年ぐらいになるでしょうか、ウメノキゴケに覆われた老木に2,3分の花を咲かせています。満開だったら壮観だろうと思われます。花があるだけ良しとしましょう。国道176号線を横断し波田橋で右岸に渡る。波田橋から下流を見た風景はピラミダルな焼山を背景に素晴らしい。
 右岸を駒宇佐八幡に向かう。こいのぼりが歓迎する。岩倉地区黒谷山の麓には通称芸術家村があり、こいのぼりは写真家坊野憲男氏の作品です。岩倉橋を渡り左岸の旧道を歩く。途中、トイレ休憩で五葉院に立ち寄る。女子用トイレが破損していたので住職が本堂のトイレを貸してくれた。ありがとうございます。藍本浄水場からお鶴淵をまわり再びさくら回廊に入ります。ところが道は猪除けゲートで閉まっています。開けさせていただき最後尾がキチンと閉めます。2番目のゲートは鉄格子の頑丈なもの。鍵はなさそうだがどうして開けるのか、だめならもとへ戻らなければ。スタッフが2、3人寄ってきてやっと重い扉を開けることができました。最後にもう一カ所厳重な扉を開き車道に出ることができました。桜回廊と言っても農家の方たちには生活がかかっています。猪除けゲートの道の桜は本日のハイライトでした。

武庫川右岸の道

こいのぼりが歓迎(山麓に芸術家村)

さくら回廊の猪除け扉

奥山に向かって伸びるさくら回廊
「駒宇佐八幡」
 武庫川から離れて宇治元橋を渡り、駒宇佐八幡神社に向かいます。山門の鳥居から100段以上はある石段を登り、最後長床をくぐると本殿です。舞殿、長床、本殿に囲まれた小広場で昼食休憩をとりました。駒宇佐八幡は貞観元(859)年み託宣によって創立されたと伝えられ、九鬼家の祈願所となった。本殿は明和3(1766)年に建立され、舞殿、長床とともに市指定文化財です。毎年11月23日に奉納される百石踊りはもともと雨乞いの踊りで県指定無形民俗文化財です。ご神木の杉の巨樹は30mはありそうで雷に打たれないのが不思議である。駒宇佐八幡とは豊前宇佐から白馬に乗った八幡大菩薩と名乗る神童子が空から降り立ったことによるとされます。

駒宇佐八幡神社

長床をくぐる

本殿、舞殿、長床に囲まれた広場で百石踊りが行われる
「須磨田・井ノ草」
 武庫川が再び大きく向きを変える。大音所から須磨田まで武庫川の川幅は広く、一直線に南下しています。嘗て一帯は冠水常襲地でしたが、数十億円の費用をかけて直線化、河床の拡幅、掘削、堤防強化など改修・整備し氾濫はなくなりました。「堰」が2箇所ありました。対岸に河川改修記念碑があります。この区間には桜は一本もありませんが、のどかな山里の風景に心なごみます。堤防沿いには、ヒメオドリコソウ・ホトケノザ・オオイヌノフグリ・カンサイタンポポ・スミレ類が見られました。ほか鹿のフンも。

弊之島橋

河川改修で直線の武庫川

 右岸側に生寶寺、安井酒造跡を見ながら本庄小学校前で小休止します。井ノ草の正明寺、天満宮を経て正明寺橋にかかります。井ノ草周辺の桜は根を石積で覆っています。後から植えられたようでまだ若木です。足元には珍しいシロバナタンポポが見られました。橋を渡ると終点相野駅は車道の一本道です。コースを誤り予定の四つ辻大池はパスしたものの、15時20分には相野駅に到着することができました。


サクランボ道(生寶寺付近)

井ノ草付近の武庫川堤

正明寺橋
 今日は人っ子ひとりいないさくら回廊を独り占めしたハイキングでした。歩行距離は17km、歩数計は3万歩を越えました。健脚者揃いであったためか、途中脱落者もなく無事に完歩することができました。1週間延期した企画でしたが桜は開花したばかりと日程調整の難しさを感じました。筆者は3日後の4月5日に再度同じコースを歩いてみましたが、桜は5分咲きでした(了)。
-武庫川エコハイク-

文:上田宏・平山/写真:平山   

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