UP 令和2年11月28日
162回武庫川エコハイク

「武庫川渓谷と桜の園ハイク」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:令和2年(2020年)11月28日(土)9:45〜14:00  晴れのち曇り 15℃ 風冷たい
行 程:JR西宮名塩駅前(挨拶とコース説明)9:45〜尼子谷川〜くらがり街道(丹波街道・古民家の説明)〜廃線跡(旧リバーサイド住宅跡と災害など説明)10:05〜名塩川合流〜どん尻川合流〜ダム計画地(計画凍結の説明)〜北山第1トンネル〜北山第2トンネル(説明)〜溝滝〜溝滝尾トンネル〜武庫川第2橋梁〜長尾山第1トンネル(洪水被害時の説明)〜展望広場〜親水広場(11:45昼食休憩12:20)/(亦楽山荘説明)〜桜の園周回(もみじの道・城が丘・隔水亭活動基地・育樹の丘・さくらの道・エントランス広場)親水広場13:30〜廃線跡〜長尾山第2トンネル〜長尾山第3トンネル〜僧川合流点広場・畑熊前(大規模護岸工事と僧川の付替え工事説明)/解散14:00-----武田尾駅 コース約8.5km
(ガイド:岡/平山 
当日配布資料(行程 説明書 次回行事案内
参加者:62名(内訳:一般54名+スタッフ8名)  一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・伊丹市・神戸市北区・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは川西市・神戸市東灘区・灘区・中央区・兵庫区・長田区・須磨区・三木市・堺市・摂津市・和泉市・貝塚市・大阪市中央区・東成区などの地域からも参加を得た。
所 感:しばらく温かい日が続いていましたが今日からは西高東低の冬型の気圧配置となり、吹く風が冷たく感じます。第3次かといわれるコロナウィルス感染拡大の中、しっかり予防対策をした約60名の皆さんが西宮名塩駅に集合しました。記名前には、体温測定、手指の消毒をしていただきました。今日は紅葉の武庫川渓谷と桜の園を歩きましたが、行楽シーズンの最後とあって、廃線跡は大勢の団体客で混雑していました。今年の紅葉は全国的に鮮やかでしたが、時期が早かったようで、親水広場や桜の園の一部はモミジのじゅうたんとなっていました。それでも緑の残る木々もあり、名残の紅葉を楽しむことができました。

西宮名塩駅からスタート9:45出発
「くらがり街道」
 駅前を中国道沿いに下ると塩瀬中学前を経て尼子谷川沿いに出ます。この道は旧丹波街道です。今は国道176号線や中国道が走りますが、この辺りは「くらがり街道」と呼ばれ、朝早く丹波を出立し灘へ向かう杜氏たちがこの辺りで日暮れを迎えるからです。街道には往時を偲ばせる古民家が残っています。この時期、植物は少ないですが赤や白のサザンカが目を引きます。

旧丹波街道 上は中国道

丹波街道はくらがり街道ともいわれる

古民家が残る(芝辻邸)
「廃線跡」
 廃線跡に入ります。旧福知山線は明治32(1899)年阪鶴鉄道として建設、明治39(1906)年国鉄になり、昭和61(1986)年廃線となりました。平成11(1999)年桜の園開園と同時に宝塚市側がハイキング道として開放されましたが、西宮市側は平成28(2016)年11月、JRが安全対策工事を行ったので、利用者の自己責任のもとハイキングコースとして開放されました。
 生瀬方面からのハイカーが合流してきます。旗を持った団体さんが多いです。案内板の前で廃線跡の説明の後、「旧リバーサイド住宅」の洪水被害による全戸(83戸)移転の説明をしました。15年を経過してやっと移転が終了し、今は更地になっていました。

廃線跡の案内版

廃線跡歩行注意看板(廃線跡歩きは自己責任で)
 右にV字谷の渓谷を望みながら名塩川、どん尻川の鉄橋を渡って行くと最初のトンネル、北山第1トンネルです。この手前に武庫川ダムの建設計画がありましたが、ダムによらない総合治水対策(河道拡幅、掘削、堤防強化、遊水池、既存ダムの活用等)を施すことで20年間(今後10年間)建設を凍結しました。今夏の九州球磨川の洪水被害で再びダム建設の気運が広がるかもしれません。廃線跡はボランティア活動で草刈りをしているので気持ち良く歩けます。枕木が積み重ねてあるのは、洪水で流れ出たものでクリの木製です。洪水がトンネル内を流れるなど想像するだに恐ろしいことです。擁壁の鉄骨は古いレール(アメリカ製)を利用しています。赤さびたトラスト構造の武庫川第2橋梁(近代化産業遺産)は何時も人気スポットで、子供ははしゃぎ、大人は写真で忙しい。

V字谷

渓谷最大の高座岩

北山第1トンネル前 ダム計画地点

溝滝尾トンネルを出ると鉄橋(武庫川第2橋梁)

武庫川第2橋梁を歩く
長尾山第1トンネルを出ると、眼前に桜の園が迫ってきます。稜線の桜は冬枯れの様相で、紅葉は終わったようです。「親水広場」には12時前に到着、40分の休憩とします。やはり紅葉は終わりに近く、モミジのじゅうたんとなっています。廃線跡を吹き抜ける風が冷たく、思い思い陽だまりを見つけてお昼です。

展望広場から桜の園を望む

親水広場の紅葉11:40

親水広場 武庫川河原
「桜の園」
 昼食休憩後桜の園(亦楽山荘)を周回します。面積約40ヘクタール、笹部新太郎氏(1887〜1978)の桜の演習林で、最盛時には山桜、里桜が30種5千本が植えられていたといいます。現在は宝恷sの里山公園として平成11(1999)年オープンしました。「亦楽山荘」は建物を指すのではなく、演習林全体をさします。現在里山ボランティアグループ「櫻守の会」が保全活動を行っています。兵庫県レッドデータブック2010植物群落里山林Cランクに指定されています。(桜の園案内図)
 園内には紅葉スポットが数か所あります。櫻守の会メンバーによると、今年は紅葉が早く、10日ほど前(11/中旬)が見ごろであったそうです。それでも名残の紅葉に期待して周回路に入ります。もみじの道と名付けられた急坂を登ります。北斜面で紅葉が目立ちませんが、モミジの絨毯を踏みしめての行進です。100m程の登りで城ケ丘に到着です。かつて、笹部新太郎氏が大阪の財界人たちを招いて松茸鍋を囲んだ場所といわれており、写真入りの案内板が設置されていました。

モミジの絨毯を踏みしめて(もみじの道を登る)

城ケ丘広場12:40
 休憩の後、谷川に下り、ロックガーデンといわれる岩場を登ると隔水亭です。笹部慎太郎氏の作業小屋でしたが、今は櫻守の会の活動拠点となっています。ここは紅葉スポットの一つですが、オオモミジを中心としてまだ緑もあるイロハモミジの紅葉が見られました。他の場所に比べて少し遅いようです。ここから育樹の丘への坂が桜の園一番の紅葉スポットですが、残念ながら散り果てでした。昨年と比較した写真を示します。

紅葉の隔水亭

今日の紅葉スポット(育樹の丘付近)

同地点の前年の紅葉(2019.11.23)
 育樹の丘の東屋で再び休憩です。大峰山への登山の起点となっており、何人かのハイカーが山を下ってきました。さくらの道を下っていきます。春はヤマザクラを俯瞰しながらの素晴らしい景観の道ですが、サクラの紅葉もすでに終わりです。最後にエントランス広場への下り坂が圧巻でした。イチョウこそ散っていましたが、数十本のイロハモミジが最後の輝きを見せていました。

育樹の丘

さくらの道を下る

さくらの道下段の紅葉
 周回を終えて廃線跡の二つのトンネルを抜けると僧川(そうがわ)合流点です。僧川は「ぼうさんがわ」ともいいます。十万辻から流下し生瀬で武庫川に合流する「惣川(そうがわ)」と紛らわしいからです。武庫川との合流が直交しないよう改修され、河口部に階段広場ができ、トイレも設置されました。男女兼用の2つだけのため、行楽シーズンは行列です。うけに入っているのは新装開店したレストランH商店です。この先武田尾駅までは600mほどありますがここで無事を確認して解散としました。武田尾温泉を散策する人、反省会をする人、それぞれに名残の紅葉を楽しんだ一日でした。

親水広場 長尾山第2トンネル

僧川合流広場で解散14:00
エコグループ・武庫川

文/上田 宏・平山、写真/平山   

戻る

inserted by FC2 system