UP 令和元年7月15日
146回武庫川エコハイク

六甲シュラインロードを歩く実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:令和元年7月13日(土) 10:10〜14:15  曇り時により小雨
行 程:集合:六甲ケーブル山上駅(10:10挨拶とコース説明)〜記念碑台(10:32〜42記念碑とビジターセンター等説明)〜旧六甲山ホテル前(10:50説明)〜前ヶ辻(シュラインロード・アイスロート等説明)〜シュラインロード〜行者堂(11:23説明小休憩)〜鳥居前(10番地裏六甲ドライブウエイ/11:58〜12:35昼食休憩)〜九体仏(シュラインロード起点説明)〜猪ノ鼻橋(鍋谷川12:55)〜仏谷分岐(逢山峡説明)〜猪ノ鼻小橋(13:13奥山川猪鼻滝説明)〜東山橋(13:30説明)〜水管橋(説明)〜合ノ木橋(13:38)〜山王神社(13:45説明小休憩)〜専念寺(14:05説明)〜神鉄有馬口駅前(14:15水難碑等説明/安全確認と次回の案内し解散)-神鉄三田又は新開地行乗車14:33)
( )内は森本の説明。当日配布資料(行程図説明書次回活動案内
参加者:59名(内訳:一般50名+スタッフ9名)
 一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・神戸市北区・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは川西市・猪名川町・神戸市東灘区・兵庫区・長田区・須磨区・垂水区・西区・三木市・豊中市・池田市・吹田市・箕面市・高槻市・大東市・大阪市福島区・東住吉区・奈良橿原市・京都市山科区などの地域からも参加を得た。
所 感:
 出がけは曇り空でしたが、六甲ケーブルに乗るころからポツポツ雨が降り出しました。標高750mの山上駅はガスが立ち込め小雨がやむことなく、駅構内での受付となりました。天気予報は夕方から雨でしたが早すぎです。それでも遠くは京都、奈良から50名の皆さんがお集まりです。玄関口でスタートあいさつの後、傘をさしたり雨具をつけたりして車道を記念碑台に向かって歩きます。観光やハイキングのメッカだった六甲山は今は訪れる人は少なく、行きかう路線バスにも人影が見えません。別荘や会社の保養施設の閉鎖も多く、角ごとにある保養所の案内版にむなしさを覚えます。ただ路傍のアジサイが趣を添えています。

六甲ケーブル山上駅

小雨のスタート 記念碑台に向かって歩く

路傍のアジサイ
「記念碑台」
 六甲ドライブウェイ起点の交差点を渡って記念碑台の広場に到着しました。広場には六甲山開発の祖グルーム像と、ひっそりと四等三角点796mがあります。最高峰931mよりはだいぶ低いところです。リニューアルしたビジターセンターで小休止します。眼下に神戸の街や大阪湾が展望するはずですが、今日は視界ゼロです。六甲山ホテルは昭和4年創業、木造2階建ての旧館は阪神間モダニズムを代表する建造物で近代化産業遺産に指定されています。阪急阪神ホテルが2016年に輸入車デイラーに譲渡、今年度中にリニューアルオープンの予定とのこと、改修工事中でした。

記念碑台 グルーム胸像

旧六甲山ホテル改修工事中
「シュラインロード」
 前ケ辻は標高760m、シュラインロードの起点、またアイスロードの起点でもあります。アイスロードは明治の初めから大正、昭和初期まで、山上のため池から切り出された氷をそりに乗せて灘方面にへ送られていたためこの名前がありますが、近年は温暖化でほとんど氷結しないようです。山上の多くの池は氷を採取するために人工的に造られたものです。

前ケ辻 シュラインロード起点
 天気が上がってきました。シュラインロードに入ります。別名唐櫃道は江戸時代に北摂と灘を結ぶ交易道で、北摂方面からは酒米や農林産物、灘方面からは海産物等を牛の背に積んで運搬した道です。道中の無事、行商の商売繁盛を祈願して西国33カ所になぞらえて観音石仏を建立しましたが、神戸の居留外国人ハイカーによってシュラインロードと名付けられました。唐櫃側から1番〜33番と続き、番外が4つありますから全部で37体の石仏があります。ちなみに1番は和歌山県那智山青岸渡寺、33番は岐阜県谷汲山華厳寺です。今日は反対の33番から下っていきます。しばらくは舗装の道で左右に別荘地や保養所があります。そんな中に33番〜29番があります。28番から山道になり人家がなくなりますが、前ケ辻からここまでの道は加古川と武庫川の分水界となっています。

アジサイのシュラインロード

33番石仏

32番石仏
 27番を過ぎて間もなく行者堂です。シュラインロードほぼ中間点ですが、簡素なお堂と役行者が祀られています。ここから傾斜がややきつくなり丸太階段も現れます。20番を過ぎると屈曲が多くなります。石仏はどれもきれいに清掃されていますが、毎年8月20には唐櫃の女性の方々の奉仕ですべての祠が清掃され、お花とお水が供えられるそうです。道から奥まったところの石仏もあり、気づかずに通り過ごしてしまいそうです。

行者堂

役行者像のある石祠
 車の音が聞こえだすと終点が近いです。11番を過ぎると裏六甲ドライブウェイに出てきました。ここがシュラインロード唐櫃側の起点になります。標高560mですから前ケ辻から約200m下ってきたことになります。鳥居のある小広場前でドライブウェイを挟んで昼食とします。

道から奥まったところの24番石仏

18番石仏

シュラインロード登山口
「逢山峡」
 昼食後はドライブウェイ工事で移設を余儀なくされた1番〜8番、番外1の石仏を一か所に集めた九体仏を拝しました。近くに大きなナツツバキがあり、白い花を咲かせていました。何か謂れがあるのでしょうか。鳥居の近くには9番、10番と番外2がありますが藪の中なのでパスです。鳥居をくぐると唐櫃から続く林道に行き当たります。

九体仏(1〜8番、番外@)

ナツツバキ

石鳥居(シュラインロード起点?)
 古寺山登山口を左に見て緩やかに下り、逢山峡へと入っていきます。林道にはアジサイはじめオカトラノオ、キツリフネ、ツキミソウの花が見られます。猪鼻橋、猪鼻小橋と奥山川源流の橋を渡ります。逢ヶ山が迫ってきました。湧水を汲んでいる人がいます。六甲山の水と書いたペットボトルがたくさん並んでいます。試飲させていただくとまろやかで甘い香りがします。東山橋まで降りてきました。逢山峡はここまでです。一服します。近くに神戸市の水道施設があり、水道管が奥山川をまたいでいます。千苅ダムからの導水で神戸市北区鈴蘭台方面に供給されている由。水源池から延々20km以上あります。

猪鼻橋

猪鼻滝

逢山峡(東山橋から)
<逢山峡の花>

オカトラノオ

キツリフネ

ツキミソウ

フサフジウツギ
「下唐櫃」
 阪神高速7号北神戸線をくぐると林道 六甲森林線は終わりで、下唐櫃の集落に入ってきます。山王神社は兵庫県環境緑地保全地域に指定されていて、境内にはツガ、ツクバネガシなどの巨木があります。道を挟んで東の山麓には専念寺があります。藤原初期の古い地蔵はおしゃもじ地蔵といわれ、すべてを救うということからおしゃもじが奉納されています。案内板に記された赤松円心親子の供養塔は見つけられませんでした。無人のお寺です。古民家のある風景を歩くと神鉄有馬口駅が見えて来ました。

阪神高速7号北神戸線

山王神社へ

ツガの巨木

専念寺

おしゃもじ地蔵

神鉄有馬口駅
 梅雨の真っただ中、小雨の中のスタートでしたが、シュラインロードにかかるころから天気も上がり、無事に有馬口駅まで帰ってきました。視覚障碍者の方もおりましたが、ほとんど下り道のためか予定よりも早い到着でした。六甲山では一度は歩くシュラインロードですが、武庫川の源流であり加古川との分水界であることを知っていただけると嬉しいです。家に着くころには本格的な雨になりました。梅雨明けはまだ先のようです。
―武庫川エコハイク―
文/上田・平山、写真・編集/平山
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