UP令和元年5月14日
144回武庫川エコハイク

三田・木器から干支の山・西谷猪ノ倉山に登る実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:令和元年(2019年)5月11日(土) 9:50〜14:30  晴れ 28℃(MAX)
行 程:集合:JR三田駅北口バス停(9:25「波豆行き」乗車/増車1台依頼)…(神姫バス)…木器(バス停下車/9:50挨拶とコース説明)〜羽束橋(羽束川と高平地区の説明)〜岡村酒造(10:12〜22説明とトイレ休憩)〜興福寺(10:35〜45木器地区の説明)〜猪ノ倉墓地(説明)〜猪ノ倉峠11:08〜猪ノ倉山登山口(11:20〜25休憩)〜猪ノ倉山頂(11:50〜12:20昼食休憩)〜猪ノ倉山下山12:45〜宝塚自然の家・松尾湿原13:05〜宝塚自然の家・正門(13:15〜25トイレ休憩)〜宝山寺(13:50〜14:10説明)〜大原野素戔嗚命神社(14:20〜25説明)〜西谷支所前バス停(14:30解散)/(阪急田園バス)14:13武田尾駅または15:20宝塚駅行乗車
( )内は森本担当の説明。当日配布資料(行程図説明書次回活動案内
参加者:105名(内訳:一般95名+スタッフ10名)
 一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・伊丹市・神戸市北区・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは川西市・猪名川町・芦屋市・神戸市東灘区・長田区・須磨区・西区・三木市・多紀群多紀町・朝来市・豊中市・大阪市福島区・東住吉区・都島区・西成区・奈良市などの地域からも参加を得た。
所 感:令和最初の武庫川エコハイクは干支の山猪ノ倉山に登る。朝から快晴で真夏日も予想されるお天気に、三田駅に集まった人は100人を超えバス待ちの長蛇の列。神姫バスの増車を依頼した。乗車15分、木器バス停下車、バス停先小広場でスタートの挨拶をする。

木器バス停下車

スタートの挨拶
「木器」
 スタートしてすぐに羽束橋を渡る。橋下を流れる羽束川は3府県(兵庫・大阪・京都)境の深山にその源を発し籠坊・高平谷・千苅水源池を経て道場で武庫川に合流する長さ32km、武庫川最大の支流である。羽束橋からは上流に大船山、下流に羽束山、行く手に猪ノ倉山を望むことができる。岡村酒造場で休憩する。三田酒造家2軒の一つで茅葺社屋を持つ。千鳥正宗の試飲ができるが、まだスタートしたばかりであり残念ながら遠慮する。

羽束橋で

木器を歩く

岡村酒造場
 山すそを歩き、高台にある興福寺を目指す。興福寺は 釈迦牟尼仏を本尊とする曹洞宗の寺院。鎌倉時代の創建といわれ、源平合戦の勇将那須与一が、義経より預かった観音像を寄与したと伝えられ、今も秘仏としてまつられている。又、江戸時代、大塩平八郎の乱に呼応し、旗揚げをした近隣の人々が、自害して果てた寺という。境内には兵庫県重要文化財の「宝篋印塔」と二つの「板碑」がある。この地の豪族であった下山家代々の墓石が多くあり、下山事件として不審の死を遂げた元下山国鉄総裁の実家は近くにあるが、お墓は定かでない。高台から眺める木器の田園風景に心が休まる。

興福寺山門

興福寺本堂

木器の風景
「猪ノ倉山」
 猪ノ倉峠越えの道にかかる。峠道入口の猪ノ倉墓地に 木器出身の力士「鈴鹿山佐太郎」の供養碑がある。有馬郡は昔から相撲が盛んで、三田市には28基の力士碑があるという。木漏れ日の峠道は体に心地よい。峠の石仏に山歩きの安全を祈り、三田市から宝塚市に入る。気が付けば三田側の峠道は舗装されているではないか。つい先日までは、途中からぬかるみや背丈を超すような藪にふさがれていたところもあったが、今や車の通行も可能である。

猪ノ倉墓地にある力士「鈴鹿山佐太郎」の供養碑

木漏れ日の峠道

猪ノ倉峠の石仏

三田市側は舗装、藪は切り開かれた

猪ノ倉山西登山口
 猪ノ倉山西登山口に到着する。猪ノ倉山は標高360mの名もない里山であったが、10年以上前に兵庫県がトレッキングコースを造り、宝塚自然の家から家族連れでも気軽にハイキングできるように整備した。2016年までは里山祭りを行うなど賑わいを見せていたが、自然の家の閉鎖とともに訪れる人もいなくなり、元のヤブ山に還ろうとしている。しかし今年は干支の山として再び脚光をあび、訪れる人が増えている。昨今の台風などで荒れていたが、登山路はしっかり残っており、地元の方々の手入れのお陰で容易に登れるようになった。
 さて、頂上までは標高差150m、登り30分の行程だが、体力的に無理な方は別れてスタッフとともに宝塚自然の家に直行することになった。登り始めると結構傾斜がきつく、ぜいぜい!はあはあ!である。途中のベンチで休憩をとる人もいる。ビューポイントにさしかかるが、振り返って風景を見る余裕がなく、そのまま頂上へ行ってしまった人も多かったと後で聞く。下りならば楽に展望を楽しむことができるが、今日一番の見どころを見逃した人には残念なことである。

猪ノ倉山(宝塚自然の家西側道路から)

ビューポイントからの展望(六甲、大岩岳、千苅水源池など)
 山頂と思われるところには基準点があるが、登山口の道標に書かれた頂上がどこかわからない。それもそのはず、10数年前には山名も定かでなかったのである。猪ノ倉山と記した手製のプレートが木の枝にかかっているのでここを頂上とする。最高ポイントは三角点点名波豆川389.3mで、基準点の北500mにある。頂上の小広場は立ち木に囲まれ、わずかに羽束山や烏ケ岳が覗く程度である。木陰で昼食をとる。下りはもう一方の東登山口へ降りる。ちょうど山を周回する格好になる。そこでスタッフからお願いである。帰りのバス便に100名を超える人数が乗ることは出来ない。阪急田園バスは増車してもらえないのである。14時台、15時台のバスに分散乗車することにして、先発組と後発組に分かれて出発する。

猪ノ倉山山頂広場で昼食

羽束山と宰相ケ岳
「宝塚自然の家」
 東登山口に降りてきた。往路の西登山口と市道でつながっている。対面の少年自然の家まで330mの道標に従って山越えの道に入る。かつての遊歩道だが荒れたところもある。降りてきたところは宝塚自然の家の松尾湿原である。北摂里山博物館の立札がある。この時期は湿原に見るべき花はない。園内を通り正面玄関に出る。本日唯一のトイレで休憩する。参加者の一人が行方不明であることが判明する。猪ノ倉山登山の途中で立ち往生し、気づいたスタッフがその場に待っているよう指示したが、あとで探しに行ったらもういないのである。健脚なスタッフは山を上り下りしながら探し回ったが見つからず。たまたま自然の家で居合わせた仲間の一人と連絡が取れたが、もう帰りのバスに乗っているとのことで一同唖然とする。無事だったからいいようなものの、誰にも連絡せず勝手な単独行動はご法度である。このスタッフはようやく昼食をとることができた。

猪ノ倉山東登山口へ降りる

宝塚自然の家・松尾湿原

宝塚自然の家正門(日祝は解放)
「西谷支所」
 後半は山登らない組、先発組、後発組と三つの集団に分かれてしまった。筆者の属する後発組はこの後宝山寺に立ち寄り、住職夫人の案内やケトロン祭りのお話しを伺う。素戔嗚命神社に参拝して終点の西谷支所バス停に到着したのは14:30であったが、山登らない組と先発組は14:13発武田尾駅行バスで帰ってしまった後である(その前の13:13発武田尾駅行にも間に合った人もあった)。後発組は15:20宝塚行き/15:54武田尾行きを待つ。バス待ちの間、一部の人は近くのレストランOで反省会をする。

宝山寺

素戔嗚命神社

終点西谷支所前
 今日を振り返ってみる。帰路はばらばらとなってしまい、締めができない。参加者の体力差やスタッフの体力差、今日はバスの乗車定員の問題もあったが、もう少し統一の取れた行動をしたい。団体行動のできない参加者もある。リーダーより先を歩かない、自分勝手な行動をとらない、リーダーの指示に従うなど、スタートのあいさつ時は”コース説明とは切り離して”毎回しっかり注意するようにしたいものである。
 好天に恵まれ、風かおる緑の中のハイキングであった。日差しが強かったが木陰は心地よく、熱中症にかかる人もなく無事に終わることができた。行方不明騒ぎがあったのは反省点であり今後に生かしたい。
-武庫川エコハイク -
文/上田 宏・平山、写真・編集/平山
 

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