UP平成31年3月16日
「虚空蔵山から立杭陶の郷を歩く」実施報告
エコグループ・武庫川
日 時:平成31年(2019年)3月9日(土) 9:50〜13:30 晴れ
行 程:集合:JR藍本駅前(9:40-50挨拶とコース説明)〜石鳥居(説明)〜酒滴神社(説明)〜大きな転石(説明)〜道標(説明)〜虚空蔵山登山道入口〜中ノ池〜登山口(10:30説明/小休憩)〜石舟(説明)〜虚空蔵堂(11:00-10説明/休憩)〜陶の郷自然歩道分岐(説明)〜丹波岩-虚空蔵山山頂(11:50-20説明/昼食休憩)〜立杭陶の郷分岐〜近畿自然歩道〜登山道出口〜立杭陶の郷(約6q・13:30解散/バス便)・・・・JR相野駅(陶の郷⇒JR相野駅/バス2便と徒歩組の3班に分かれて帰路)
( )内は岡担当の説明。当日配布資料(行程図・説明書・次回行事案内)
参加者:98名(内訳:一般91名+スタッフ7名)
一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・伊丹市・神戸市北区・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは川西市・猪名川町・神戸市東灘区・須磨区・たつの市・三木市・丹波市・多紀群多紀町・豊中市・池田市・箕面市・茨木市・摂津市・枚方市・大阪市旭区・福島区・東住吉区・阿倍野区・堺市・草津市などの地域からも参加を得た。
所 感:本日は冷え込んだものの朝から快晴の絶好のハイキング日和である。無人駅の藍本は列車が着くたびに人で溢れ80人を越す参加者となった。挨拶とルート説明のあと岡スタッフの先導で杜氏も通った旧丹波街道を南に向かって歩く。
藍本駅前広場からスタート |
「藍本」
この地は孝徳天皇(647年)が藤原鎌足に命じて藍の種子を蒔かれたところで、栽培地は本庄地区から相野、広野まで広がり、藍の本であることから藍本と呼ばれたという。江戸時代には藍本庄宿と言われ、丹波往還の要衝として栄えたといわれる。今、その面影はない。
田んぼの中に立つ県下最古の石鳥居(県重文)から芝生の参道を歩いて酒滴神社に参拝する。霊水伝説で有名な神社は1727年第6代三田藩主九鬼隆抵が再建したもの(市指定文化財)で、古色蒼然として風格がある。近くに転がる大きな石は虚空蔵山の裏側の大川瀬から飛来したといわれ、また住吉神社と酒滴神社が喧嘩して住吉神社が投げた石とのいわれもある。その後大川瀬との往来が絶えていると言われる。ちなみに酒滴神社はヘビの神様、住吉神社はカエルの神様である。案内説明文もないが、お話を聞いてみるとなかなか面白い。踏切り際にある道標は犬におしっこをかけられそうな小さなものであるが、よく見ると「元禄五歳」1692年と刻まれている。西国巡礼の道しるべで、三田市に約110基あるうち最古のものであるという。
石鳥居から酒滴神社へ続く参道
酒滴神社に参拝
転石
虚空蔵山登山道の道標のある角を曲がると一直線の道が山に向かう。青空に飛行機雲が白い線を描く。ふと横を見ると今年の干支のイノシシをデザインした倒木がある。なかなかのアイデアだ。中の池を回り舞鶴若狭道のガードをくぐるとすぐに表参道登山口である。道標によれば虚空蔵堂まで1000mである。
表参道へ向かう |
倒木で干支イノシシをデザイン |
中の池から虚空蔵山山頂を望む |
「表参道」
小休止して、参道を登っていく。舗装もすぐに地道に変わり、苔むした露岩の道となる。平たい岩が多いのは、昔は石段だったのだろう。石舟(霊水)の案内板があり、ここで手を清めて下さいとある。傾斜がきつくなりロープの手すりがついているところもでてきた。さらにジグザグに急登すると灯篭が出迎えてくれる。この先の石段を上ると虚空蔵堂である。右手から裏参道が合流してきた。
表参道登山口 |
石舟 |
ジグザグの登り |
石段を上ると虚空蔵堂
虚空蔵堂で一服
虚空蔵堂で休憩のあと、急登すると役行者像があり、やっとなだらかな道になるもつかの間、尾根筋へ再び急登する。振り返れば林間に北摂の山々が覗くようになるが、厳しい登りに息が上がり景色を愛でる余裕がない。主尾根の陶の郷自然歩道にやっと合流する。ここまでくれば頂上は近い。気を取り直して最後の力をふり絞る。「虚空蔵山」
大きな岩が多くなってきた。これらの岩は約7000年前の火山活動によってできた溶結凝灰岩で、よく見ると板状の岩が何枚も張り合わせた構造になっている。これを板状節理といい、虚空蔵山を特徴づけている。特に頂上手前、丹波岩はその典型である。596m表示のある虚空蔵山山頂で昼食とする。100人近い人が座れる場所がなく思い思いに登山道に腰をおろす。昼食後、丹波岩に立ち展望を楽しむ。雲一つない青空に北摂、丹波、東播磨の名だたる山々が一望である。同定できた主な山々は、東から南にかけて弥十郎ケ岳、大野山、大船山、千丈寺山、須磨田三山、羽束山、有馬富士、大峰山、六甲連山。南から西に目を向ければ雄岡山、雌岡山、淡路島、御嶽(清水寺)、西光寺山、東播磨の笠形山、千ヶ峰などが見える。眼下の東側には日出坂洗堰から曲りにかけ大きく蛇行する武庫川、西側には加古川水系の四斗谷川に沿う立杭の里が覗き、分水界に立っていることを実感する。
丹波岩を登る |
虚空蔵山山頂 |
山頂で昼食 |
丹波岩からの展望
「立杭陶の郷」
展望を楽しんで、もと来た陶の郷自然歩道を下る。藍本方面への分岐を過ぎると関電巡視路に使われているようなプラスチック階段の急降下が始まる。尾根を外れて陶の郷への道に入ると傾斜も緩み、ヒノキ林に入る。彩(いろどり)の森という看板があった。間伐された材が整然と並んでいて手入れされていることがうかがえる。バンガローが見えてくると立杭陶の郷である。立杭の背山の和田寺山と上山が美しい。陶の郷広場で解散とする。予定よりも早く到着したので、先行組の多くは予定より1時間前のバスに駆け込むことができた。また全コース6kmでは歩き足らない健脚の人たち約10人は相野駅まで6kmを歩くことになった。我々後続組は登り窯など立杭窯元を散策し、予定のバス14:12発相野駅行きに乗車した。参加者全員が1台のバスには乗れないのではとの思いは杞憂に終わった。
陶の郷自然歩道を下る |
彩の森 ヒノキ林を歩く |
立杭の里が見えてきた |
陶の郷と虚空蔵山
-武庫川エコハイク -
文/上田 宏・平山、撮影/ 平山