平成29年7月8日
123回武庫川エコハイク 

「名塩川とくらがり街道を歩く」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:平成29年(2017年)7月8日(土) 9:45〜15:15
天 候:晴れたり曇ったりにわか雨
行 程:JR生瀬駅前(挨拶・コースと生瀬宿の説明9:45発)―有馬街道分岐・太多田川合流(説明)―木之元地蔵(10:10説明)―名塩川本川合流点(廃線跡ハイクコースと武庫川合流点洪水被害等説明)―古民家芝辻邸(説明)―西宮市保護樹(楠巨樹説明/小休憩10:35)―西宮名塩駅前/斜行エレベーターで昇り(11:10)ー名塩渓谷散策道―蘭学通りー名塩八幡神社(11:40〜12:30昼食休憩)―谷徳製紙所(12:40〜13:20実演見学)―教行寺(13:35説明小休憩)―紙祖東山弥右衛門の顕彰碑(14:00説明)―名塩貯水池―茶園町バス停(14:35ここで一次解散し健脚者で赤坂峠へ)―独鈷水/名塩川源流(14:58説明)―赤坂峠バス停(15:10最終確認解散)・・・・・阪急バスで西宮名塩駅・宝塚駅   ( )内は森本案内の説明
当日配布資料(行程図説明書名塩和紙の説明書次回行事案内
参加者:92名(内スタッフ9名)
 一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・伊丹市・神戸市北区・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは神戸市長田区・須磨区・垂水区・西区・三木市・川西市・猪名川町・池田市・豊中市・吹田市・寝屋川市・堺市・和泉市・東大阪市・京都市西京区・葛城市などの地域からも参加を得た。
所 感:沖縄の南で発生した台風3号は、4日朝長崎に上陸後、九州・四国地方から紀伊半島を進みましたが、通過前後には梅雨前線の活動が活発化し、九州北部を中心とした記録的豪雨で大きな被害が発生しております。そんな週末の天候は不安定で、本日は30度の真夏日の予報、降水確率も10%とある。事前の問合せでも「和紙の作製工程」の見学を期待した電話が多かった。集合時間の生瀬駅前は83名の参加者を得ていっぱいになる。このところ、参加者が大変増加大盛況の状態が続き有り難い事であるが、武庫川流域の歴史・文化・伝承・自然環境を知ってもらうエコハイクの目的は、コースでの説明は難しくなってきた。配布資料を参考に見ながら歩いてもらう事をお願いしてスタートする。また、後日の利用にも役立てばと思っている。

 今回の名塩川は武庫川の支流のひとつ。源流を赤坂峠付近にもち、左岸から読売ゴルフ場を源流とする細野谷川・猪切谷川、右岸から西宮高原ゴルフ場を源流とする尼子谷川が合流する。武庫川渓谷の最下端で本川に合流する、延長6.2q。名塩川がつくる渓谷沿いに開かれた集落、蘭学と名塩紙で知られる名塩を訪ねました。
スタートの生瀬は鎌倉時代創建の浄橋寺の荘園であった。歴史的には有馬温泉への入湯路である有馬街道の要衝の地として発展してきた。大坂方面からの有馬温泉へのルートは、神崎を起点に武庫平野を北に進み、小浜から武庫川沿いに進み生瀬を経て、太多田川の河原を辿り船坂を経て有馬温泉に至る。有馬街道の船坂からは、金仙寺道を通り三田に抜ける街道も開けていた。三田に抜ける金仙寺道は、太多田川が増水し通行出来ない時、そのため替道として小浜から木之元を繋ぐ青野道・名塩道・三田へ抜ける丹波街道となった。
 生瀬から国道176号線を進むと、太多田橋近くの有馬道と丹波街道の分岐点に道標が建っている「木之元地蔵尊霊場/左有馬道/右三田道」と刻まれている。車両の多い国道沿いを長い列をつくり進み聖徳太子ゆかりの地蔵伝説がある木之元地蔵尊木之元寺に到着。今日は蒸し暑く、早くも小休憩を取りながら、日本三体地蔵尊や戦国時代の説明をする。
国道176号を横断し廃線跡ハイキング道、名塩川本川合流点で説明。廃線跡ハイキング道開放、洪水時の合流点付近の河川の状態、リバーサイド住宅の移転などの説明をして今回のルート旧街道に戻る。現在も木之元集落には旧街道の一部が残り、くらがり街道として伝えられていて、茅葺屋根の民家(芝辻邸)が昔の面影をとどめて保存されている。街道を名塩に向かい進み西宮市保護樹木(クスノキの巨樹)で小休憩、蒸し暑い一服。ここから名塩川沿いに名塩駅まで上り坂。
 駅前から斜行エレベーターでニュータウン中央まで上り、自然の散策道を渓谷沿いに歩く、名塩下滝を見下ろしながら進むと国道176号線名塩東口交差点に出る。交差点は蘭学通りの入口(はただ商店)。右山面に名塩のランドマークともいえる教行寺の鼓楼が見える(教行寺は当初この辺りにあったとか)。蘭学通りを通り、名塩八幡神社へ向かう。昼食場所の八幡神社に到着の頃、小雨が降りだす。皆さん木陰を探して昼食休憩、雨はにわか雨で少し助かる。

 八幡神社から5分程歩くと谷徳製紙所、名塩和紙の作製工程の実演見学を依頼済みである。ビデオと実演で学習、多人数なので三交替で実演の見学を依頼する。今日の作業は、3代目ご子息で実演、人間国宝谷野武信氏は体調崩し見学者に解説で接待下さった。お礼申しあげます。
 集落を抜け国道を渡り坂道を上り教行寺で鼓楼を見学、参拝して次の紙祖東山弥右衛門の頌徳碑のある墓地に立寄る。名塩川を源流目指して進む。今日は一日蒸し暑く疲れる。途中、茶園町バス停で一応、一次解散として最終源流へは健脚者で目指す事にする。約半数の方がここで帰路。
 赤坂峠への道は、一部車両の多い176号線を歩くので団体は大変である。それでも、東久保地区、176号線のヘアピンカーブ周辺は、棚田の風景が残る。大規模開発が周辺まで年を追って進められている。この貴重な風景はいつまで保たれるであろうか。そんな事を思いながら農道の坂道を赤坂峠へと向かう。源流の独鈷水のある場所は赤坂峠近く、民家の道路横田畑にある湧水である。水は白っぽく濁り源流水と思えない。昔は有馬三名水の一つと言われたというが想像できない。やはり源流の湧き水は、冷たくて美味しい水であってほしいと願う。赤坂峠源流独鈷水までの参加者は39名、全員安全確認して解散(15:10)  (JR生瀬駅前〜名塩〜赤坂峠 約10q)
文/上田 宏

写真


@生瀬駅前からスタート

A国道176号線を歩く

B木ノ元地蔵尊参拝

C名塩川・本川合流点

D西宮名塩駅 斜行エレベーターに乗る

E名塩川を歩く(名塩八幡付近)

F名塩和紙の実演見学(谷徳製紙所)

G教行寺鐘楼

H紙祖東山弥右衛門の墓

I名塩川源流 独鈷水
写真撮影/平山

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