平成28年10月8日

113回武庫川エコハイク

 「有馬川の支流長尾川を歩く」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:平成28年(2016年)10月8日(土)9:30〜14:15  天 候:曇り
行 程:
 神鉄道場駅(集合9:35〜9:40 挨拶・行程概要説明)〜有馬鉄道(説明)〜松原城址(説明)〜山脇延吉彰徳碑(9:55説明)〜長尾川芝名橋(10:08 説明)〜鉄屋橋(10:11)〜神鉄高架下(10:17)〜庄川橋〜北向い橋〜大北橋〜長尾橋(10:30〜:37休憩)〜一之宮橋〜門前橋〜大江橋(10:58)〜片山橋〜熊野橋〜熊野神社(11:05〜:10説明)〜中国自動車道高架下〜今井橋〜前田橋〜六甲北有料道高架下(11:30〜12:00昼食)〜佐空橋〜団子坂橋〜下流田橋〜火打坂橋〜人形渡橋(12:15)〜高坂池(12:33説明)〜長尾神社(12:40〜:50説明)〜中国自動車道高架下長尾川源頭(13:03説明)〜有馬高原病院(13:10〜:15休憩)〜三角点(13:27説明)〜有馬CC前〜平谷川緑地(13:45〜:55説明)〜神鉄南ウッディタウン駅(14:10 挨拶・解散)
(  )内は案内担当森本の説明。当日資料(行程図説明書・次回11月行事案内)

参加者:30人(内スタッフ7人)
 一般参加者は、流域内から三田市2 西宮市2 尼崎市1 伊丹市1 宝塚市10 櫻守の会3 の計19名、流域外からは神戸市北区1 長田区1 三木市1 大阪市東淀川1の4名で、スタッフ7名を合わせて30名であった。

所 感:
 天気予報が悪かったためか本日の参加者は いつもの半数ほどであった。本日は有馬川の支流である長尾川を歩くというマイナーな企画で、集まった方は本当に武庫川をもっと知りたいという熱意のある方とお見受けした。長尾川は赤松峠付近に源を発し、北摂ニュータウンの南を流下し道場で有馬川に合流する約6.7kmの二級河川である。流域は丘陵に挟まれた水田地帯で、標高差は100mに満たない。源頭は中国自動車道の開発で分断され、源流から三面張りの河川となってしまっていた。流れは濁り、泡立つところもあり、決して清流とは言えない。ただ流域には水田風景の中に古民家が残り、中国道の防音壁も緑で覆うなど環境に配慮していることは伺われる。
 スタートの神鉄道場駅周辺には旧国鉄有馬線跡、松原城址(別名たんぽぽ城)、神戸有馬電気鉄道(現神鉄)の創設など地域振興に貢献した山脇延吉の記念碑がある。ガイドの森本氏より有馬線の旧軌道(約13km)を表した手製の地図の案内があった。興味を惹かれるところで、個人的には探訪してみたいと思う。
 
道場駅から下ると長尾川に行き当たる。長尾川は国道176号線の芝名橋を潜って500mほど下で有馬川に合流する。このあたりは宅原と書いて「えいばら」と読む。そうかと思えばお寺は宅原寺「たくげんじ」という。地名は難しい。鉄屋橋を渡って長尾川の左岸へ。ここから源頭まではほとんど左岸を歩くことになる。神鉄高架下を潜りいくつかの橋を過ぎて、長尾橋コンビニ前で最初の休憩をとる。これから先は終点近くまでトイレはない。
 
一之宮橋から大江橋付近は一面の水田地帯である。食用米の稲刈りはほとんど終わっており、今はちょうど酒米「山田錦」の取り入れが始まっている。川堤には、カキ、イチジク、クリが実り、ナツメやカリンもある。アナウンスの音は長尾幼稚園の運動会だ。熊野神社では秋祭りの準備に忙しい。まさに秋たけなわの風景である。

道半ば、少し早いが六甲北有料道路高架下で昼食とする。日陰のない川堤は神社の森ぐらいしか休憩場所はないが、本日は曇り空でありがたい。昼食後は佐空橋(さそらばし)から人形渡橋(にんぎょうわたりばし)へ歩く。三面張りの長尾川は古民家も散在する水田地帯を流れる。左手丘陵上にキリンビール神戸工場など工場群が見えてくる。右手は中国自動車道だが、擁壁は緑の樹木に覆われ騒音もない。ここには日本の田舎の原形を思わせる風景が残されており心和む。予定にはないが源流の一つ高坂池(たかさかいけ)に立ち寄る。ちょうどキリンビール神戸工場の横手にある大きなため池で、森に囲まれて静かな佇を見せていた。
 
水田にひときわ映える長尾神社の赤い鳥居をくぐる。長尾神社は古代湖水の龍神を祀り、船着き大明神として崇められ、大川瀬の住吉神社より分祀されたと案内板にある。一帯は湖水であったことがうかがわれる。郷土史研究家のNさんによれば、長尾川は武庫川と加古川と結ぶ運河の役割を果たしていたという。長尾神社を過ぎると流れも細くなり、ついには溝となって中国自動車道の擁壁下を流れる。地形図を見ると、源頭は赤松PAで分断され、道路の北側のため池がその源のようである。
 急坂を登りつめたところが有馬高原病院である。標高260mの高台からは南に六甲の山々、北に北摂の山々が展望する。神戸市から三田市へ、車道R356を北摂ニュータウンあかしあ台に向かって歩く。いつか来た道である。西高区配水池で草にうずもれて発見できなかった4等三角点を見ることができた。有馬CCの前を通る。フェンス越しに広大なメガソーラーを見る。以前は宅地開発かと思っていたがメガソーラーであった。このあたり一帯はメガソーラーが多い。三田市が推奨しているようだが、これは自然破壊だと思う。自然エネルギーを使ってCO2を削減、地球温暖化に貢献するというが、緑を奪ってかえってヒートアイランド現象を引き起こす。自然の美観を損なうのも問題だと思う。参加者の中にも同様の思いの方も多い。
 
平谷川緑地公園口で最後の休憩を取り、三田市街地を歩いて南ウッデイタウン駅で解散する。万歩計は16,500歩、歩行距離12kmであった。まだ歩き足りないという剛の者もあったが、全員無事に歩き通すことができた。天気予報ははずれ、曇り空に薄日も漏れる快適なハイキングであった。

                                                 平山記 
写真:

旧国鉄有馬線跡(左は神戸電鉄)

山脇延吉翁頌徳碑

長尾川下流(鉄屋橋から上流を見る)

山田錦のl里を歩く(一之宮橋付近)

熊野神社

長尾川中流(佐空橋付近)

長尾神社
長尾川源頭(中国自動車道赤松PA付近))

メガソーラー(有馬CC前)
南ウッディタウン駅
     写真:平山元哉氏

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