平成28年9月10日

112回武庫川エコハイク

 「宝塚の巡礼街道を歩く」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:平成28年(2016年)9月10日(土)9:30〜14:30  天 候:
行 程:阪急山本駅(集合9:30〜9:45 挨拶・行程概要説明)〜木接太夫彰徳碑(9:50 説明)〜松尾神社(10:00 説明)〜山本園芸流通センター (10:05〜10:15 陽春園見学・トイレ休憩)〜泉流寺10:20〜正念寺・庚申塔(10:25 説明)〜黒光稲荷神社・天満神社(10:35〜10:45 行基の投げ石、イチイガシの大木、天満神社の由来等説明)〜天神川〜中筋のしだれ桜〜勅使川(11:00 勅使川と足洗川の由来説明)〜中山寺(11:05〜12:00 中山寺の由来・大門・白鳥塚古墳等説明、昼食休憩)〜市杵島姫神社(12:05)〜足洗川〜中山荘園古墳(12:30 説明)〜売布神社(12:40 説明)〜橋本関雪別邸〜清荒神参道(13:05)〜荒神川〜千吉稲荷大明神(13:30 手塚治虫昆虫採集の森説明)〜一後川〜惣川〜生瀬橋〜浄橋寺(14:00 説明)〜生瀬皇太神社(14:15 説明)〜JR生瀬駅(14:30 解散)
(  )内は案内担当森本の説明。当日資料(行程図説明書次回10月行事案内

参加者:76人(内スタッフ7人)
 一般参加者は、宝塚市、西宮市、伊丹市、尼崎市、三田市の流域各市からの42名参加の他、流域外からは川西市、池田市、猪名川町、神戸市灘区・中央区・須磨区・長田区、大阪市西区・福島区・阿倍野区、堺市、高石市、明石市、高槻市、京都市、大津市などの地域からも参加を得た。

所 感:暑さも一段落して朝夕は涼しさを覚えるようになってきました。今日の空は鰯雲が漂っています。宝塚巡礼街道を歩くという身近な歴史探訪ハイキングのためか、本日の山本駅前は70名を超える参加者であふれています。初めて参加するという女子大生など若い方が目につきます。
 山本は植木の町です。埼玉県川口、福岡県久留米とともに日本3大植木産地とされています。駅近くには木接太夫彰徳碑がありますが、今は開発が進み、町を歩いてもどこに植木屋さんがあるの?といった感じです。山本園芸流通センターへの途上で一軒だけ見つけました。本日のコースは十分時間的な余裕があるため、山本園芸流通センター前にある園芸店陽春園に入ってみます。温室もある大きなお店で、買いたいお花があっても持って歩くのが大変なので見学だけです。
 泉流寺は眠り観音で有名ですが、三十三霊場が選定されるとき観音様が眠ってしまったため選に漏れたという伝承があります。中山寺をしのぐ勢力を誇っていたそうです。巡礼街道から僅かに外れるため訪れる人が少ないようです。正念寺の白壁にかかる百日紅が巡礼街道に彩を添えています。日差しが強くなってきました。天満宮の木陰で一休み。天神川を渡り、中筋のしだれ桜で再び休憩。巡礼街道は所々に案内版があるものの狭く、また車の抜け道となっていてゆっくり散策できません。まして団体では隊列が道路いっぱいに広がってしまい、スタッフは交通整理に追われます。
 勅使川を渡ると二十四番札所中山観音です。聖徳太子の創建と伝えられ、わが国最初の観音霊場です。おじいちゃんおばあちゃんに連れられた若夫婦のお宮参り姿があちこちに見られます。時間は早いですが信徒会館前でお昼とします。昼休みを十分とって、各自で自由に境内を散策してもらうようにしました。
 午後からは、墓園を下って市杵島姫神社を経て中山荘園古墳を見学します。マンション建設時発見された古墳は7世紀中頃に築造されたと推定され、当時の天皇陵と共通する八角形の墳丘を持つ古墳です。遺存状況も良好であり、国指定遺跡となっています。菰池をまわり、キリスト像のある黙想の家門前で休憩します。坂道を登って、延喜式内社売布神社に参拝、階段がしんどいので下の木陰で待つ人も多いです。中国道高架を潜り、橋本関雪別邸を過ぎる。有馬街道に合流すると間もなく清荒神参道です。巡礼街道巡りのコースはほとんどここで終わり、道標もなくなります。我々は荒神川を渡り、生瀬を目指します。しばらくは車道歩きで、見るべきものはあまりありません。宝塚駅近くで、数人がエスケープしました。
 番外で、漫画家「手塚治虫昆虫採集の森」に立ち寄ることにしました。治虫少年が昆虫採集に興じたという森は、市内では珍しい田園風景の残るところで、千吉稲荷大明神を祀っていました。観光コースにはありません。
 一後川、惣川を越えて武庫川に架かる生瀬橋を渡り旧生瀬宿に入ります。浄橋寺と皇太神社を見学しました。浄橋寺は鎌倉時代の浄土宗証空上人の創建。上人が有馬の湯に赴く途中、賊に襲われたが、武庫川に架橋して通行料を取り生計を立てるように諭す。その橋を浄橋と名付け、寺を浄橋寺としたといわれています。境内には石造五輪塔等文化財が多くありますが、住職のご厚意で、国重要文化財「木造阿弥陀如来像」を拝観することができました。鎌倉時代前期の作と推定され、ヒノキ材の寄木造りで、表面に金箔が貼られ、神々しい姿に感動です。また皇太神社では秋祭りの準備中の子供たちがだんじりで祭り太鼓を披露してくれました。旧生瀬宿を生瀬駅まで歩く。宿場をしのばせる妻入住宅も今はなく、鮎寿司の淡路屋の社屋も駐車場と化していました。14:30生瀬駅で解散、それぞれ家路に向かいました。
(平山 記)
                    
◇◇◇
 暑い中78人と多くの参加者があった。しかし巡礼街道のほとんどがアスファルトの道であり暑さが増した行程であった。また車の往来が多く、通行に注意を要した。本日の最初の見学地である木接太夫の彰徳碑に関して、今朝の朝刊に記事(宝塚市が木接太夫 本名坂上頼泰を名誉市民にするとのこと)が載っていてホットな話題を提供してくれた。最後に浄橋寺では、めったに見ることのできないご本尊を、住職のご厚意で今日は拝観することが出来て良かった。
(岡 記)

          写真:

木接太夫顕彰碑

山本の植木屋さん

正念寺付近

中山寺(山門)

中山荘園古墳

売布神社)

清荒神参道
手塚治虫昆虫採集の森

浄橋寺阿弥陀如来像拝観
生瀬皇太神社
     写真:平山元哉氏

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