平成27年3月14日

第95回武庫川エコハイク

 「中国街道を阪神尼崎から甲子園まで歩く」実施報告

エコグループ・武庫川
日 時:平成27年(2015年)3月14日(土)9:50〜14:10  天 候:小雨のち晴
行 程:
 阪神尼崎駅前(9:40挨拶/コース説明)―高潮標識(過去の災害説明)―庄下川橋(庄下川の過去と現在説明)―尼崎城跡(歴史説明)―櫻井神社(救護団体「博愛社」等説明)―開明橋(大手門橋跡説明)―琴城ヒノデ阿免本舗(120年の老舗説明)―旧開明中公園(戦争機銃掃射の傷跡の塀説明)―寺町(11か寺説明)全昌寺―本興寺(説明)―尼信会館(10:30〜10:45尼崎城資料展示見学)―広徳寺(秀吉伝説等説明)−法園寺(説明)−長遠寺(重要文化財等説明)―貴布禰神社(説明)−中国街道(道標説明)−蓬川橋(蓬川渡し跡と中山道等説明)−琴浦神社(説明)ー子安地蔵尊(説明)−旧大庄村役場(wc休憩/国の登録文化財説明)−雉ヶ坂伝承地(秀吉伝説説明)−西素戔嗚神社(西新田と小松の渡し説明)−阪神武庫川駅河川敷(12:20〜12:50/昼食休憩)−潮止堰(堰の撤去改築・河川工事の説明)−楠霊神社(説明)−阪神武庫川線(旧武庫川線説明)−岡太神社(尼崎領界碑等説明)−鳴尾一本松(5代目説明)―鳴尾八幡神社(説明)−枝川跡(六石の渡し跡地等説明)−甲子園球場(説明)−甲子園素戔嗚神社(説明後/次回4月行事の説明し解散14:20)
(  )内は案内担当:森本の説明項目、当日資料(行程図説明書次回4月行事案内と資料寺町ガイド、尼崎城、秀吉・官兵衛の中国大返し物語等)


参加者:
61人(内スタッフ6人)

 一般参加者は宝塚市・西宮市・伊丹市・尼崎市・神戸市北区の流域各市からの参加の他、流域外からは川西市・豊中市・池田市・芦屋市・神戸市東灘区・灘区・長田区・三木市・寝屋川市・堺市などの地域からも参加を得た。

所 感:
 今日の朝は昨晩からの雨が残り冷たい小雨が降っている。早々から電話の問合せが多く入るが、行事は小雨実施の案内通りで説明する。この一週間は2月から4月の気候が入り乱れ、寒い日、暖かい日と対応に忙しい日を繰り返す。そんな日で心配していたが集合時間には61名の参加者がある。初参加とか地元からの参加も目立ったが、遠方、堺市とか寝屋川市、いつもの三木市などからの参加も得て盛り上がる。
 
いつもの朝の挨拶とコース説明をしてスタート。最初の案内、中央公園の歩道脇に立つ「高潮標」の水害記録の説明をする。尼崎が過去に高潮で浸水被害を受けた時の潮位とその実際の高さを示したもので、昭和9年の室戸台風、昭和25年のジェーン台風の最高水位である。尼崎市の南部は、市役所の辺りまでは海抜ゼロメートル地帯で防潮堤が無ければ浸水してしまうエリアなのだ。現在の尼崎はTP+5,7mという高い防潮堤で守られている(TP=東京湾平均海面)。「台風は暴風雨のみならず、高潮にも警戒が必要なのだ」という事を、この標識は水害時の実際の潮位を示すことで、我々に切に伝えようとしている。人通りの多い駅前だが、この標識に目を留める人は殆んどないという(地元参加者の話)。最近は防災について関心が高まっていると思ったのだが。
 
雨で駅中を通り庄下川橋へ。淀川水系の1級河川の「庄下川」。尼崎市東富松を起点に市街地を南流し阪神尼崎駅の南方で2方に分かれ、一方は松島ポンプ場を経て左門殿川へ排出、もう一方は尼崎港へ流出する。森本担当の説明で、昔は工業排水や生活排水で汚れ、ガスが発生する汚い川だった。また、神崎から大物、初島へと広がり興味深い話があった。
 
尼崎城の外堀だった庄下川橋を渡ると古い赤レンガ倉庫がある、阪神電鉄の尼崎車庫、昔の送電所の建物。尼崎城の跡、城址公園には現在、市図書館が建つ、石垣と塀が一部イメージ復元されている。図書館の南側、開明橋のそばに櫻井神社がある。「櫻井神社」は藩主・桜井(松平)信定公他歴代の尼崎城主が祭神としてお祀りされており「日本赤十字社」は、此処、尼崎が発祥の地だとする説明板もある。
 開明橋を西へ渡ると、橋のたもとに「琴城ヒノデ阿免本舗」120年の老舗が今も営業中である。
 拡幅整備された道路を西へ進むと、「旧開明中公園」五合橋線交差点付近で旧開明小学校の塀に残る「戦争機銃掃射の傷跡」を見る。
 寺町では、全11ヶ寺をくまなく回る時間が取れないので「寺町資料」を渡し本日は代表寺をいくつか案内する。最初の「本興寺」を訪ねて、もう一つの目的「尼信会館」の尼崎城資料展示会を案内する。貯金箱博物館見学は、又の機会として説明し寺町の「広徳寺」・「法園寺」「長遠寺」等を案内。
 
寺町から「貴布禰神社」を訪ねて、中国街道を通り竹谷へ出る。竹谷地区から蓬川・大庄に至るまで遊歩道が整備され「水と親しめる場所づくり」が推進されている。地元以外、案外知らされていない隠れたスポットである。途中「琴浦神社」「子安地蔵尊」を案内して旧大庄村役場でトイレ休憩をとる。秀吉伝説の「雉が坂」から「西素戔嗚神社」で「西新田と小松の渡し」等説明して、阪神武庫川駅付近の河川敷で昼食休憩。丁度天候も回復、ほんのりとした暖かい食事時であった。
 
午後のスタート前に、今回、西垣氏(櫻守の会会員)から100回記念の年度を記念して、手作りの「ミニわらじ・ぞうり」を多数頂いて皆さんにプレゼントして喜んでいただいた。
 
「潮止堰」では県の河川工事、堰の撤去改築、河床掘削、護岸工事、橋梁の補強改築などの説明をする。「岡太神社」では尼崎領界碑など確認して「鳴尾一本松」を案内、5代目松も少し弱り気味、枯葉が目に付く。「鳴尾八幡神社」では普通神社で見る常緑樹が少なくアキニレの巨樹が占有している、珍しくナギも植わっている。八幡神社の周りでは川が残っており枝川の「六石の渡し」の場所は少し高くなっており本日参加の地元の方に説明をいただいた。
 枝川の堤防跡の残った松並木を見ながら最終の「甲子園素戔嗚神社」へ、予定より少し早めに到着、全員無事で終了出来た。次回の案内をして解散(14:20)。
写 真:

@阪神尼崎駅前高潮表示板

A本興寺

B寺町

C貴布禰神社

D雉ヶ坂
E西素盞鳴神社

F岡太神社

G鳴尾の一本松
H鳴尾八幡神社
I甲子園素盞鳴神社

     文/上田 宏、写真/陰山

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