朝は薄曇りの晴、南矢代駅前は冷たい風が吹き少し寒い風を避けて待つ。今回はチラシの案内で皆さんにご迷惑をかけた。JRの時刻改正が3月16日にあり、案内した電車が無くなり集合に時間のずれが発生してしまった。ほとんどの皆さんが40分程の時間待ちになり時刻改正の時期は注意したい。
今回は遠方と健脚コースなのに49名の参加をいただいた。20分程ずれて開始、動かないと寒いのでコース説明して早々にスタート。駅の近く田松川運河を説明して真南条川沿いを上る。堤の桜ソメイヨシノはまだ１分か２分咲きであるが山にはタムシバの白い花が多く見られる。以前の行事、篠山口（初田）からのコースと合流近くで小休憩。デカンショ街道の接点で近畿自然道や谷中分水界と周辺の山など説明し龍蔵寺参道へ。参道は自然が残り草木の花が楽しませてくれる、ショウジョウバカマの花、アセビの白い花、キブシの蕾みが開花の準備している、オドリコソウの群生も育ってきている。
龍蔵寺でトイレ休憩、時間の都合で住職さんには挨拶せず。龍蔵寺は太平山天台宗の寺で、高仙寺、文保寺と並んで多紀三山と呼ばれた古刹。全盛期には修験道の道場として72の寺坊があったという、そんななごりをチャノキが残してくれている。境内には珍しい植物、サルオガセがサルスベリの老木の樹皮に多く付着している。サルオガセは花の咲かない植物で苔に近い仲間の地衣類、外観はとろろ昆布に似る、空気中の水蒸気を吸って単独で育っている着生植物、長く木の枝から垂れ下がる姿は異様である、また、カヤの盆栽にカヤランが着生しているのが見られた、休憩中そんな説明をする。
時間調整で昼食は源流に決める。龍蔵寺川の谷間に沿って杉林の中の斜面の道を登る。倒木や朽木の多い荒れた傾斜の厳しい道、滑りそうなコケむした石場の支谷を登って源流にたどり着く。
ここが武庫川の源流なのである、杉の木の根元から湧き出る水。尾根を境に南に流れれば母子大池から青野川を経て武庫川へ、北も龍蔵寺川から真南条川を経て武庫川へ。源流付近の湿地ではシカ、イノシシのヌタ場（風呂場）をいくつか見られる。日当たりの良い斜面を探して昼食する。動かないと寒いので早々に行動。
ここから尾根へ、また急斜面、立木にすがり付きながら登る。森の坂、大岩場、尾根坂と皆さん挑戦し愛宕山山頂へ到着。尾根道ではモミの巨木が多く見られアカシデの大木も多い、モミに混じってツガ、また、ミヤマシキミは蕾みがふくらんでいた。山頂で篠山盆地の展望を楽しみながら休憩をとる。
この後は近畿自然歩道を下りミツマタの目的地へ、厳しい難所がいくつも有りやっと着いたミツマタ群落地。人工林を伐採した谷間は斜面一帯を黄色く染め別世界へ案内してくれている。
今日は厳しいコースで大変疲れたがミツマタ群落を見て疲れがとんだと歓喜があがる。案内して良かったと思う。ミツマタは昔和紙の原料として栽培されたがその後放棄、条件の合う場所で自然に群落になったようだ。龍蔵寺の住職さんは群落を保存するため常緑木など伐採し手を入れておられる。林道沿いの谷間は年々ミツマタが広がりを見せている。林道沿いにカエデなど植樹もされている。
花見の後、龍蔵寺でトイレ休憩し帰路のコースへ。旧京街道ではショウジョウバカマの群生を発見し喜びの声。時間も遅れ気味になり、皆さんもお疲れなので二村神社は説明だけにし残石公園と武庫川起点を見て南矢代駅に到着。
今日は一日寒い風の吹く日であった、また行事時間が大幅に延長になってしまったが全員無事で終了した。次回4月の案内して解散する（16：20）。
写 真：
 ミツマタ大群落 |
 真南条川の桜並木 |
 龍蔵寺 |
 龍蔵寺川を遡る |
 源頭まであと一歩 |
 龍蔵寺川の源泉をのぞく |
 龍蔵寺川の源泉 |
 愛宕山の展望 |
 ミツマタ群落地を行く |