第53回武庫川エコハイク
「武庫川渓谷と桜の園ハイク」実施報告
エコグループ・武庫川
日 時:
平成23年(2011年)7月9日(土)9:30〜14:30  天候:晴
行 程:
JR西宮名塩駅前(コースの概要・注意事項/名塩ニュータウンの説明)―くらがり街道(昔の街道利用など)―尼子谷川(説明)−旧福知山線廃線跡(昨年度から変ったJRの管理状況と自己責任の問題)―旧リバーサイド住宅地(23号台風洪水被害と以降の対策)―名塩川・どん尻川(説明)―高座岩(渓谷最大の岩、武庫川の誕生・渓谷の地質・景観・貴重な植物群落等説明)―武庫川ダム計画地(県は20年間ダム工事しない説明)―北山第1トンネルー十国の瀬―北山第2トンネルー溝滝・天狗岩(説明)−武庫川第2橋梁(周辺の景観等説明・洪水時の状況等)―桜の園景観ポイント(渓谷と桜の園遠望説明)−エントランス広場(昼食11:45/桜の園「亦楽山荘」と「櫻守の会」保全活動紹介)−もみじの道―城ヶ丘―隔水亭(笹部氏の演習林と櫻守の会の活動)−育樹の丘―さくらの道(それぞれのポイントで説明)―親水広場―温泉橋(旧武田尾駅・武田尾温泉等説明し一応解散14:00)・・・右岸(ヨコグラノキ)・・・武田尾橋・・・JR武田尾駅14:30
    (  )内は説明項目、資料(行程地図説明書次回の案内チラシ)配布
参加者:28人(スタッフ6人含む)
一般参加者は宝塚市・西宮市・尼崎市・伊丹市・三田市の流域各市からの参加の他、流域外からは三木市・高槻市・神戸市長田区・和泉市・大阪市西淀川区と今回も遠くからの参加者が見られました。
所 感:
 梅雨明け2日目。近畿は平年より2週間も早い梅雨明けで、本日は朝から真っ青な空が広がる。さすがに参加者はいつもより少なめですが、三木市からやってきた83歳の男性、この日を楽しみにしていたと武庫川渓谷廃線跡を紹介した2006年の新聞記事の切り抜きを見せてくれた。

 往時の面影を残すくらがり街道を歩き、廃線跡へ下る。梅雨明けの武庫川は水かさを増し、岩を食む流れは白波を立て、ひときわ高い音を響かせる。渓谷両岸の山々は濃い緑に覆われ、真っ青な空と白い雲が見事なコントラストを描く。日陰のない廃線跡を歩き始めると、汗が噴出し、眼にしみる。トンネルは天然のクーラーだ。冷風が吹きぬけ、5度は低いという。ガイドさんの説明はトンネル内で聴くにかぎる。トンネルに一面のキノコが(写真D)。なんというキノコだろう。食べられる?いつも西谷の野菜やキノコを並べている武田尾の畑熊酒店の奥さんに聞いてもわからないという。宿題にしておく。
 雨の後で、今日は対岸に十国の滝の流れも見える。いつもは見過ごしそうな溝滝も、轟音を立てて流れ落ち、滝らしい姿を見せている。溝滝手前の渓谷の岩場にはサツキが花を付けているのが遠望された(写真E)。兵庫県では武庫川渓谷だけに自生している岩上植物で、兵庫県レッドデータブックに登録されている希少種である。トラロープで立入りできないよう保護されている。
 武庫川第2橋梁を渡り、長尾山第2トンネルを抜けると前方に桜の園の森が広がる。炎天の親水広場を避けて、クールスポットのエントランス広場で弁当を広げる。カツラの香りが漂う。おばあちゃんに連れられてきた女の子が清流で水遊びに興ずる。
 昼食後、笹部演習林と櫻守の活動の説明を聴いて、桜の園を周遊する。モミジの道からドングリの道を城ヶ丘まで登る。2009年の豪雨で土石流に見舞われた園内ではまもなく砂防ダム工事が始まる。隔水亭を上から眺めて育樹の丘へ。涼風が通り抜ける。ここもクールスポットのひとつだ。ヤマザクラの巨木が林立するさくらの道を下っていく。保護のために張り巡らされたワイヤーがなんとも興をそぐのは致し方ないところか。再び親水広場に下り、オニグルミが青い実を付けた廃線跡を武田尾温泉に向う。温泉橋で一度解散したが、ほとんどの方が対岸に渡り、植物を観察しながら武田尾橋を回って武田尾駅へ行く。この間、ヨコグラノキの葉のつき方の不思議に感心する。

 炎天下のハイキングだったが、トンネルや桜の園のクールスポットで涼を楽しむことができた。落伍者も無く、皆さん元気な中でのハイキングだった。
写真:

@名塩駅集合 28名

Aくらがり街道を行く

B増水の武庫川

Cトンネルは天然のクーラー

Dトンネル内のキノコ

Eサツキの群落

F轟音の溝滝

G夏空の桜の園

Hクールスポットのエントランス広場で昼食

I城が丘を目指して

Jさくらの道で

K武田尾温泉橋

オニグルミ

ヨコグラノキ(片側に二枚ずつの葉)
ガイド/森本、文/平山、写真/陰山・平山

トップに戻る
inserted by FC2 system